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27話 だって剣さんが使ってて言ってたんだもん!

「想像はできないことではないが、分かるというほどでもない」


 その質問の意味や自分の尋ねたことにどうつながるのかわからなかったが、ここで会話を切ってもデメリットしかないことは理解できたのでそう素直に答えた。


「じゃあ、もっと具体的に言えばわかるでしょうか。あなたは剣です。あなたは誰かの悪意によって人の命と肉を断ち切る道具にされます。あなたを使用する誰かはあなたを使って人の命と肉をさんざ切り刻んだ後、あなたのことを責めたてます。あなたはどんな気分ですか、あなたは使った人間を恨みませんか?」


「胸糞悪いし、理不尽この上ないことをされているの恨まないはずがないだろう」


 陰鬱な声を発する邪神に対してそう答えると、彼女は私の答を鼻で笑った。


「では善神を害することであなたに攻めらられる筋合いはありませんね。私は真っ当な行いをしているだけです」


 具体的なことは分からないが、どうやら例の剣のような理不尽な眼に邪神は善神に遭わされたことがあるようだ。

 確かにそれなら邪神が善神を害す正当性もあるかもしれない。

 だがそれは周りの人間を巻き込んでいいという訳ではない。


「魔王を使って人を害すのは真っ当な行いか?」


 そう尋ねると邪神は眉間に皺をよせ、こちらを睨みつけてきた。

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