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20話 転神によるエリート不審者講座① まず美少女には迷わずボディタッチ




「見知らぬものがここに来ていると聞いてやって来た」


 隣に現れた男は言葉少なにここに来た経緯を話すと、なぜかこちらに手を伸ばしてきた。

 反射で延ばされた男の手を弾くと


「腕力は神ほどではないが人間としては高い……」


 男は無機質な声でぼっそりとそう呟いた。

 手加減せずに叩いたというのに、やせぎすの男は体に見合わぬ芯の強さを持っているようで全く持って動じない。


「手の皮膚が厚いな、特に指の付け根、ある程度に熟練した剣士と言ったところか」


 男に対して驚いていると、男はこちらの全身を感情の伺えないハシバミ色の瞳で無遠慮に凝視する。


「何やってんのよ、変態! 乙女の身体を研究材料にしようとするなんて最低よ」


 すると男の茶髪が揺れたと思うと、彼の頭に薙刀が刺さっているのが見えた。


「邪魔をするな、ここではただでさえ退屈なのだ、新たな発見を得ねば心が死ぬ」


 明らかに即死したと思われた男はそう早口でまくし立てると薙刀を頭から引き抜き、再びこちらに向き直った。


『玉音』


「黄帝、貴様!」


「娘の情報ならこれで分かったじゃろ。年甲斐もなく、はしゃぐでない転神」


 男は貴神をねめつけると、こちらに心底興味のなさそうな様子で一瞥すると踵を返す。


「ここにもう用はない、帰る」


「待て、娘は世界を飛ぶ術と善神の邪神のことについて尋ねに来とる。せっかくじゃ、お主を話していけ」


「分かった、世界を飛ぶ術は知らない、善神とは前世のころから交流があるがあれは八方美人なだけだ、それ以上でもそれ以下でもない、話すことははなした俺は帰らせてもらう」


 転神はすねた子供のような態度で、足を止めずにそう答えて、部屋から退出していた。

 いきなり来て、いきなり去っていく。まるで嵐のような男だった。


「まったく好奇心で塗り固められたような奴ね。あの無駄にある行動力をどうにかならないかしら」


 沌神はしょっぱい顔をすると手を伸ばして、床にある薙刀を回収。

 それから謎の黒い穴を生じさせるとその中に、薙刀を放ると沌神は眼力の強い目をこちらに向けた。


「ここにいる神が邪神以外に世界を飛ぶ術を持っていないことがわかったけど、あんたはどうするの?」





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