表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/179

15話 辣腕神による事情聴取

 いきなり敬意を示せと言われても釈然とせず、なぜ見ず知らずのものに敬意を示さなければいけないのかと反感を覚える。


「敬意を示せと言われても、私はノースクラメルのもの。他国の神に膝を折る道理はありません」


「フン、言うではないか。その不遜な態度、普通の皇帝であれば凌遅にかけるところだが、妾は他の雑魚共とは違い寛大だ。許してやろう」


 こちらが断ると貴神は扇子を広げて口元を隠してそう宣う。

 そのさまはどこまでも高慢で、謙遜が生じるだろう隙さえない。


「よかったわね。気に入られたわよ」


「これ、帰蝶! 余計なことを言うでない!」


 だが沌神の言葉で高慢さが大きく揺らいだ。

 その張本人の沌神を見ると、眠そうな顔して、身体を起こすと小さく欠伸をした。

 朝方まで魔王と戦っていたので眠いのかもしれない。


「そち、早く要件を申せ」


 沌神がからかったせいで、貴神は気色ばみながらこちらに尋ねてくる。

 とばっちりを受けているようだが、話が早く進みそうなので何とも言えない気持ちだ。


「では僭越ながら話させていただきます。私の要件としてはあなたたちに世界を飛ぶ術と神々について教えていただきたいということです」


「なぜ世界を飛び、神々のことについて尋ねる?」


「前者については邪神に連れて来られたこの世界から元の世界に戻るため。後者については善神と邪神の争いに巻き込まれ、見て見ぬふりを出来ぬと思ったからです」


 貴神は薄い紫色の光を湛える青い瞳でこちらを見定めるように見つめると口を開いた。


「確かに『慧眼』で見たところ、そちはこの世界の者ではないな。善神の加護を得たものはこの世界にはおらんはずだからのう」


『慧眼』。一部の王であるものが使えるすべてを見通す目。

 そんなものでわざわざ見るとは尊大態度を取っているが、わりに用心深い神のようだ。


「妾は世界を飛ぶ術を持っておらんが、二神については教えてやろう。あ奴らには辟易しておるから愚痴でも貴様に聞かせてやるわ」


「あいつらの愚痴聞かせるていうんなら、あたしも参加させてもらおうかしら。あ、ちなみにあたしも世界を飛ぶ術は知らない。それについてはハーデスに聞いた方がいいじゃない?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ