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13話 唐突な黙秘権発動

「二神については俺から語れることはこれ以上はない。他の神に尋ねるといい」


 紅茶を飲み終えるころになると、武神はハーデスに瞳を向けながら、話を切り上げる。

 するとハーデスはティーカップを置いて、口を開いた。


「一つの助言としてですが、ゼウスさんが帰る方法としては世界を超える能力を持つ神を探すか、神の加護を得て魔王を打倒するかの二つあります。神のもとに行くのならば、二神のことに関わらずに、前者のことをするにとどめることをお勧めします」


 ハーデスは助言を託すと同時に二神に関わることをやめろと再度忠告をしてきた。

 顔を真剣なもので、最善策を提示しているので悪意はないように感じるが、どうしてそこまで二神に対して異様にこだわるのか分からない。


「二神のことについては承諾できないが、魔王を打倒したらなぜ戻ることが出来るのだ?」


「邪神が困るからです」


「なぜ困るんだ?」


「……それ以上のことをあなたは知る必要がありません。もし神から加護を得る場合は四神からの加護で止めてください。それ以上加護を得ればあなたの寿命は、一年にも満たないほどまでに短くなります」


 取り付く島もないことを言うと、ハーデスはひどく具体的な忠告を残して詰所の奥に引っ込んでいた。

 今の忠告はニ神、神についてあまり関わらないようにするためのはったりなのか、本当にそうであるのか分からない。

 魔王との戦闘中にも助けられたことを考えるとこちらと敵対しているわけではないのだが、武神と口裏を合わせていたことを考えると信用はできない。

 どちらみち今の状態では判断材料が少なすぎて、判断することは困難だ。

 得られる場所から情報を得ねばならない。


「他の神々のいる場所はどこにいるか存じてますか?」


「知っている。魔王の現れるイースバルツの近くに他の神は点在している。貴神、沌神はエウゲン山、転神はイースバルツ王城、邪神は忘我の滝。そこに行けばおのずと奴らを発見できるだろう。一度眠ってから行くとしたら、エウゲン山から行くといい。ちょうど魔王の戦いから沌神が戻ってくるころ合いだろうからな」

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