5話 人が見てる中で縛り上げるなんて……!!
明日は番外の更新を休んで、日曜に更新します。
それは他者のことを歯牙にもかけない絶対強者の瞳でははなく、相手のことを対等として扱う武人の瞳だった。
こちらを対等ととらえるほどに弱体化した。
目の前のガイアがそんな瞳をする理由などそれしかない。
全力のガイアでないというのは悲しいことだが、こちらに戦う以外の選択肢はないので攻勢に転じる。
アーツ『サンダーボルト』で、雷霆を三方向から生じさせ、黄金の輝きを強めたセイクリッドで切りつける。
斬撃とともにセイクリッドと雷霆の四方から同時に電撃が発生し、ガイアを雷の檻の中に閉じ込めた。
360°敵を覆う攻撃で避けられるものはいないと確かな自負があった。
だが、極光を放つ雷の檻の中は蛻のからだった。
驚愕とともに急いで気配を探る。
わずかながら背後に熱気が迫ることを感じた。
急いで右に転がる。
が
間に会わず背を焦がすような感覚が走り始める。
「魔王相手に一人は無謀すぎる!」
ハーデスの叱責とともに甲高い金属音が鳴る。
前転をして起き上がると五節からなる金属棍を魔王の尾に巻き付け、ハーデスが動きを止めていた。




