14話 ロリ危機一髪
困ったなあ。
幼女のママは見つからずに、おっさんだけが加速度的に増えてる。
もはや塔に収容できずに外に溢れ出してしまっているほどだ。
聖国の全域のおっさんが集まってると言われても、何ら不思議ではない
「さあ、お着換えしましょうね」
俺がどうしたもんかな物思いに沈んでいると、誰かが休憩室に入ってきて、そんな声を上げた。
見ると案の定、幼女とビッチだった。
ビッチの方は一瞬でも見逃さんと言うように目を血走らせ、幼女はそんなビッチを見つめている。
毎度の事案発生だ。隙あらばこのビッチは幼女の肌を見ようと画策するのだ。
その度に止めに入らなけれいけないせいで、気疲れする。
そろそろバシっと言ってやった方がいいだろう。
「また何をやってるんですか……? これ以上幼女にセクハラするようでしたら、セクハラおじさんの海に沈めますよ」
「セ、セクハラ? 何を言ってるのですか、私はただこの子との血縁関係を確認しようと」
俺の言葉に反して、ビッチは苦しい言い訳をする。
両者ともに白髪碧眼でまあ似てないこともないが、肌を見て血縁関係がわかるなど意味不明だ。
「こ、これを見てください。この子の肌にはきっとこの痣があるはずなんです」
ビッチはいきなり服をめくり始める。
すると横腹にアブストラクトなタトゥーが刻まれているのが見えた。
元カレに勧められて掘ってしまった奴だろう。
そんなもんで血縁関係が証明できるわけがない。
「そんなもの後付けのまやかしでしょう。血縁関係が証明できるわけがありません」
「聖痕が後付けのもの? 人為的に付けられたものだというのですか?」
人為的に付ける以外にどうやってタトゥーを刻むんだ。
彼女はどうやらロリに焦がれるあまり頭がおかしくなってるようだ。
これは非常に危うい。幼女の貞操が風前の灯火だ。
はやく幼女のママを見つけねば。
この国の居住区はあらかた回って、いる可能性は低いし、あとはやたらデカい教会があった聖教区しかない。
聖職者たちは柄が悪いから近づきたくなかったが、幼女の未来がかかっているのだ。
背に腹は代えられない。
「聖教区に行く必要がありますね」
「そこに私と瓜二つなこの子との秘密が隠されているというのですか?」
ビッチも幼女目当てで捜索についていきたいらしい。
危険人物の行動が分からないのは不安だし、人手がいるからちょうどいいか。
「ついてきたいというのなら、僕と共についてくると良いでしょう」
「魔王、あなたは常に真実を見続けているのですね……」
ビッチは幼女が自分の元から消えてしまう事を悟ったのか慄いた顔をする。
奴をしり目にどこら辺に幼女のママがいるか、窓の外の聖教区を見て、俺は考える事にした。




