プロローグ 密室で……サイコホモと二人きり……なにも起きないはずがなく……
目次でのプラバ率が高いのであらすじ変更しました。
よろしくお願いします。
今日はとんでもない日だった。
兄マンティーとオウゾクごっこをしてたら、奴は飢えたホモの眼差しで俺を凝視するし、挙句の果てにはキ〇ガイが乱入だ。
やつらのもはや異次元の域に達した言葉のキャッチボールにキョロ充してたら、アダルマンティーと結婚することになっていた。
兄マンティーなんて男だろう。
ロリコンでシスコンかつホモである上に、NTR願望まであるとは……。
性癖のデパートだよ、あのヤロー。
最近、理不尽なネトラレに会って、ちょっと病み気味なピンクのところに送ってやろうか。
「ふう、流石に疲れたな……。早めに寝よう……」
ヘルメスから貸し与えられた部屋に入ると、ベッドの位置を確認して、明かりを消す。
ベッドにダイブすると目を閉じた。
いかん! 長時間にわたって、ホモの顔を凝視したせいで目を閉じると奴の顔が頭の中に浮かんでくる。
おのれ、兄マンティー、亡霊となって俺を苦しめるというのか!
忌々しいホモの呪縛から解放されるために俺は、掛布団を吹っ飛ばすと目を開ける。
眠いのに眠れない。
なんて拷問だろう。
眠気に襲われながら、まんじりともせず壁を見つめる。
すると正面の壁が動いて、目の前でくるりと回った。
隠しの通路のあれだ。
貴族の家だから、どこかにあるだろうと思ってたけどここにあったのか。
ぎょっとしながら、それを見つめると月光に照らされて、この部屋に侵入してきた人物の顔がぼんやりながらも明らかになった。
サイコホモ――ヘルメスだ。
明かりが月光のみなので細かいところは分からないが、服越しに白い肌が透けて見える。
薄い生地の服を着ているようだ。
やばいなあ、どうやら俺の部屋はサイコホモのハッテンジョウだったらしい。
奴はもう準備万端。
俺の貞操は風前の灯火だ。
扉はここから対角線上にあり、優に20メートルくらいの距離があることを考えると俺がここから逃亡する前にサイコホモに取り押さえられるのは明白。
俺に出来ることは、奴の行動に対応しきることのみだ。
視線を奴に固定して、奴の動きを逃さないように細心の注意を払う。
「……ちょっといいかな」
ちょっとでもダメに決まってんだろ……。
入れた時点でアウトだよ。発想がヤリチンじゃねえか。
ホモは徐に進んでいき距離を詰めていくと、闇の中に溶けた。
どうやら、雲が月を隠してしまったらしい。
雲さん、お仕事がんばらないで……。
ホモはどうやら俺のベッドに乗り上げたようで、軋む音が聞こえる。
奴は目と鼻の先に居るようだ。
絶対絶命だ。




