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国で暗殺されそうなので、公爵やめて辺境で美少女専門テイマーになります  作者: 竜頭蛇
テイマー条約第3条 生育環境は整えなければならない
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7話 『農業エアプは黙とれえ!』




 翌日、十万ポイント獲得の我々オワリオダーズはほくほく顔で、ガリアシザーズを探していた。

 探しているのは偏に精霊様がカエサルを煽りたいとおっしゃたからだ。


 何か昨日よりも明らかに気温が下がっているので、外で動くのは億劫なのだが、俺以外全員精霊様に懐柔されてしまったのでしょうがない。

 クリムゾンは昨日の一時期ツンとしていたが、朝方にはすでにメリビ信者に戻っていたし、Z子は紅茶で餌付け。

 残念ながらガイア君には周囲の反対を押し切ってまで、正義の荒野を開拓するフロンティアスピリッツは存在しない。



 まず我々は村の中枢にある兵舎を探しに行ったがガリアシーザーズはおらず、西部にある農耕地を探しに行くことになった。


 農耕地にたわわに実った果実や色彩鮮やかな野菜を見ながら、ぶらぶら歩いていると喧騒が聞こえてきた。


「オラたちの畑の作物をネコババしとったのかお主らか許さんぞお」

「作物をネコババなんてそんな馬鹿なことあるはずが……。ですよねウォージマさん?」

「そうだ、ボクタチは夜に君らの畑を耕してた。つまり作物をネコババではなく採取してたんだよ」

「そんな、道理が合るかあ。というか夜に耕しても意味ないわハゲェ!」

「まったくこれだから素人は。農業エアプは黙とれえ!」


 農家のおっさんたちと、襤褸を纏った甲冑の男―ウォージマとカエサルのペアが言い合いしている。

 関わりたくないと思う気持ちをここまで惹起させる光景はなかなかないだろう。

 それだというのにルンルンで精霊様が争いの中に身を投じていく。


「なんじゃ? なんじゃ? これはどういうことじゃ?」


「姉さん、聞いてくれえ。こいつらがオラたちの育てた強奪してくんだ!」


「そんな、でたらめを……。私たちが育ってた作物ですよ」


「じゃが、小作人はこう言っとるではないか」


 精霊様が農家のおっさんたちに肩入れしたことで、四面楚歌になったな。

 悪が滅びるのも時間の問題だろう。


「何だい、あれは?」


「どうやら、ピンチのようですね」


 カエサルぺアが糾弾されるかと思うと、聞きなれた声が耳に響いた。

 そちらを向くとアダルマンティーとヘルメスが走ってきていた。


「カエサル様、もういいんではないですか。もうアウトソーシングで農家も増えて、ポイントも9万ポイントに達しました。種を入手する必要はないでしょう」


「いえ、まだです。昨日アウトソーシング先から十万ポイントを手に入れた猛者がいると連絡が入ってきました。おそらくそれは……」


「そうじゃ、儂らじゃ。じゃが、貴様らもう9万ポイントに……」


 法外な手段に手を染めているようだが、ガリアシーザーズもこちらにかなり近づいてたようだ。

 てか普通にあっちは継続して広める手を持っているようだし、このままで十万ポイントを余裕で越えていきそうだな。

 精霊様もそう勘づいたのか、ぐぬぬ顔で額に汗をかいている。


「く、お主ら次は兵舎じゃ! 兵舎にポイントを獲得しに行くぞ!」


 精霊様がそう言って、兵舎に手を向けると、でかい影が指さした先に出てきた。

 何か異様に寒くなってきた気がする。


「GYAAAAAAAAAA!!」


 俺が寒気に震えると、影の主だろう大きな青い竜が現れた。





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