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国で暗殺されそうなので、公爵やめて辺境で美少女専門テイマーになります  作者: 竜頭蛇
テイマー条約第7条 過ぎたるテイムは身を滅ぼす
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17話 世界は美少女だった

 トーナメント当日


「ついにこの時が来たようね」


「この時が来たな……。カタストロフダージリンの『腐ったティーバッグ』でお前のグループの息の根を止めてやるぜ」


「油断したわね、ガイア。もう既にステージは始まっているわ!」


「な、なにぃ!?」


 ステージの幕が開くとそこにはドメスティックバイオレンスの面々が。

 どういうことだ……。


「順番表を回されなかった時点で不思議におもわなかったのかしらガイア」


「まさかお前!? 参加者側で決めさせて乱闘を起こそうと……」


「全然違うわ。このトーナメントはあたしたちの単独ステージなのよ」


「卑怯な! 俺達をステージの上に出さないつもりか。者ども出遭え! 出遭え!」


 俺が適当な掛け声をかけると控え室に待機していたカタストロフダージリンの面々が武器を肩手にステージ上に上がって来る。

 歌とダンスをしながらの乱闘が始まる。


「あたしの旦ナナンアナナナナ~!」ビリビリ


「それムギ……くっさ! 納豆を投げるのはやめろおお!」


 雷攻撃に納豆爆撃。

 スゴイ、センターの争いが熾烈を極めている。

 他のメンバーはついていけなくなって、普通に踊り始めている。


 というか踊っているとこ久しぶりに見たけどハーちゃんとキールシンクロ率がやばいな。

 姿似てるから眼帯がなきゃ、どっちがどっちが完全に分からなくなるな。

 そんなことを考えながら見ていると二人の距離がダンダンと近づいているように見える。

 仲がいいのかな。


 ~2分後



 スゲエ、近づいてた挙句体が一つなったな、あの二人。

 シンクロを極めるとあの領域に行くのか。


「これがほんとの私!」


 一心同体になった当人もおどろいたように一人だけ止まってる驚いてる。

 いや、お前もそうなること知らなかったのかよ……。


「バカやってねえで、踊れ!」


 このままステージの上で止まられても困るので発破をかける。




 ―|―|―




「フ、人がシンクロして融合してしまうほどのダンスの完成度の高さ。あんたらの勝ちと認めざるを得ないようね」


「ふ、どうやらカタストロフダージリンが俺に融資をする機会を得たようだな」


 こいつら、フって言うの好きだな。

 竜手に入ったらからまあいいけど。


「ガイア、もう死んでいる異国の帝龍を取りに行ってここの帝龍も逃すと思っていたのに勘の良いヤツね」


 ええ、異国の竜死んでたのかよ。

 あぶねえ、異国に行ってたら竜愛好家のゼウスちゃん激怒してたな。

 適当に途上国に行ってて助かった。


「帝龍4体か……。ガイア体に何か変調はないか?」


「ありませんよ。最近体の調子がいいのと、犬歯が異様に尖ってきてるような気がしますが」


「変調してるな……。まあそれだけなら大丈夫か。……これでこの不毛な龍取り合戦も終わりだな。異論はないな、ハイド」


「今はジキルも交じってるのでハイドと呼ばれるとなんとも言えない気分になりますね……。まあ少しだけ気分がいいので、それでいいかもしれませんね。もう一つになったのでいがみ合うこともありませんし」


「確かにお前らは終わりだな。まあ俺はまだ終われねえけどな。ゲーム勝利報酬の世界を終わらせなきゃならない」


 何言ってんだこいつ。

 中二病がアンドーにも映ったのだろうか。


「ああ、ごめん、みんなガイヤ―に僕負けちゃったから。世界滅ぶわ」


 ロン毛までもそんなことをほざき始めた。

 中二病が加速度的に伝染していく……。


「じゃあ俺が全然モテない世界にバイナラ」


 アンドーがそんなことを口走ると地響きが起きて、地面がひび割れはじめた。

 これはアレだな。

 地殻変動とかそういう規模のアレじゃない。

 アッというまに崩壊しそうだ。


 流石に土塊に挟まれてジエンドはごめんだ。

 アンドーにこれを止めさせなければ。


「ヤメロオー、アンドー!」


「ガイア、ウオオオオオ!」


 ~30分後



「クズ術奥義オクレテメンゴメンゴ!」


「グアアアアアア!」


「フウウ……、激しい戦いでした……、これで崩壊は」


 アンドーを倒したというのに、崩壊は勢いを増すばかりで止まらない。


「俺は神で不死身だからな。倒したところでどうにもならねえよ。それに倒したところで止める権限をお前が持ってない限り止めることは不可能だ。諦めろ」


「いえ、諦めません。僕にはテイムがあります」


「テイムがあるって頭が湧いたかお前」


「そんなわけないでしょ、アンドーさん。僕はちゃんと確信があってこんなことを言っています」


「お前何を言って……」


「いきなりですけど、アンドーさん、美少女とは何だと思います?」


「そんなの見た目が良いヤツだろ」


「違います」


「じゃあ、気遣いが出来る奴だろ」


「違います」


「……性格が良いヤツか」


「違います」


「じゃあなんだっていうんだよ……」


「自分が可愛いという雰囲気を演出できる子。それが美少女です。見た目の優劣も品性もすべからく関係ありません」


「知ったようなこと言うなよ、お前はただの魔王だろ」


「いえ、違います。僕は美少女専門テイマーです」


「勝手に言ってろ」


「アンドーさん、演出する子が美少女だというのなら、かわいい子を演出できる世界も美少女です。だから僕はテイムが出来ると確信しています」


「いやそうはならんだろう」


 唐突なマジレス……。


「あります! 今から僕がそれを証明してきます! そこで見ていてください」


 足のばねに力を籠める。


「皆さん、僕はテイムしてきます。世界を落として後にまた会いましょう」


 人力ロケットガイア号、フライアウェイ!


「ラブサンシャイン! ラブサンシャイン! ラブサンシャイン! ラブサンシャイン!」


 うわあ、マジか、大見得切ったくせに全然テイムできねえ……。

 てかなんかこのブラックワールドめちゃくちゃ息苦しい。

 SPがゴリゴリ減ってるだけで回復しねえ。


 このままだとじり貧だな。

 でもやるしかないか。

「ラブサンシャイン! ラブサンシャイン! ラブサンシャイン! ラブサンシャイン! ラブサンシャイン! ラブサンシャイン! ラブサンシャイン! ラブサンシャイン!」


 ――テイム習熟度MAX


 ――美少女専門テイマーテイマー新アーツ解放。

 ――『パワーオブチャーム』……攻撃力を魅了確率に変換。


 変換が若干怪しいがこいつに懸けるしかなさそうだ。


『パワーオブチャーム!』


『ラブサンシャイン!』


 ああ、世界がピンク色に染まっていく。


「世界を修復してください」


 そう呟くとこちらの意志を組んだのか、ピンク色の世界は修復を始めた。

 多分これで世界は大丈夫だろうけど、今度は俺がやばいな。


 具体的に何がやばいかというとSPがゼロで動けないことだ。

 つまりここから帰れません。


「……」


「……」


「……」


「誰かアアアア! 助けてええええええ!」




 ―|―|―




 フフフ、大自然のプラネタリウム……素敵。



 もうここにいて3時間くらいたったかしら。

 こんなロマンチックな空間にいつまでもいたら女の子になっちゃいそう。


 あれなにかしら、変なヘルメットをかぶった真っ白い人型がこっちに近づいて来るわ。


 もしかして、変態!?


 いやあ、めちゃくちゃ近づいて来るわ。

 もう目と鼻の先に……。


「キャアアアアアア! 変態!」


「お前が変態だ!」


 ボコォ!


「いたあ……! あなたよく見ればゼウスさんじゃないですか」


「やっと正気に戻ったか。アンドーの道具を借りて向かいに来たぞ。奴が渋ったせいで少し遅れたな」


 やだ、ゼウスちゃんこんなところまで来てくれるなんて素敵。

 惚れた。


「ゼウスさん、いきなり悪いんですけど付き合っていただけませんか」


「ば、バッカをいうな」


「いえ僕は本気です」


「……」


 ゼウスちゃんはなぜか黙って、マウストゥマウスしてきた。


「じ、人工呼吸しただけだ。勘違いするなよ」


 それから顔を真っ赤にして誤魔化しの言葉を口にした。

 確かにSP回復してるけど、これは脈ありのサインだろ!


 早速降りて、デートスポット調べよ!


「じゃあ、下に降りましょうか」


 ガイア号、ゼウス搭乗員を腕に乗せて大気圏突破。


 着陸!


 ドガ―ン!


「キャアア、ステージの上に隕石が」「いや違うわ、男。いやあれは!」「魔王様よ、見てあのほれぼれする姿を」「キャアア、抱いて!」



 おいおい、マジかよ、戻ったらモテモテだよ。


「ゼウスさん、すいません先のやっぱな」

 ボコォ!



 美少女専門テイマーの美少女を巡る戦いはまだ続く……。


 完

お付き合いいただきありがとうございました!

エタリの波が強くなってきたので、少し強引ではありますが完結させます。

読んで下さり本当にありがとうございました!

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