14話 朝からヘブンズダイバー
「ついにこの時が来たな。お前がこそこそ逃げるせいでどれだけ年月が過ぎたか分からないぜ」
「できれば永遠に見つけてほしくなかったな。僕暴力苦手なんだよね」
「じゃあ反撃せずにずっとなぐられろよ」
「ヤダなあ。そんなことしたら君にデータだけ抜き取られた挙句消去されちゃうよ。というか、自分の旗色が少しでも悪くなると実力行使に出るのはダメでしょ。最後までゲームをやろうよ」
「自分のとれる手段とっているだけだろ。何が悪い」
「はあ……。これだからアマゾネスは……」
棒立ちの二人の間には何かがぶつかったように、衝撃がいくつも生じ、幾重をも波紋を起こす。
しばらくすると七瀬は思い出したような顔をして、柏手を打った。
「あのさ、今日お金忘れちゃってさ。よかったらお金貸してくれないかな、ガイヤ―?」
―|―|―
「ゼウスさん! 大変ですよ。ついに竜の目撃情報が!」
「zzz……」
朝、教会の屋根の上でパパを踏み台にしてダンシングヒーローになっているゼウスちゃんに俺は話掛ける。
いかんせん爆睡していて返事がない。
「起きてください、ゼウスさん!」
ユサユサ!
「ガイア! 私に何を!」
「いや起こそうと……」
「そういうことは合意をとってから!」
ボコォ!
俺に繰り出される理不尽な肩パン。
「ああああああ~」
俺は勢いのままに屋根から地面にダイブしていく。
そうするとちょうど直下にアンドーが居た。
「ぎゃああああ! なんじゃお前!」
ボカーン!