12話 ドヤ顔と雀荘
「ガイア君、君について来てほしいところがあるんだ」
俺に気付いたホモロン毛は唐突にそんなことを切り出した。
ラブレターの主がホモだったことでショッキングだったのに、今度はハッテンジョウに強制連行。
地獄のフルコースだ。
こんなにされる思うと心臓がキュンキュンしてくる。
精神的ダメージで。
「へえ、そうなんですか。僕用事あるんで帰りますね~」
「いやいやいや、どうせ大したことないでしょ、こっちの方が大事だから」
返ろうとする俺の前に立ちふさがるホモ。
奴のボルテージは最高潮だ。
「具体的に何が大事だっていうんです。何もないでしょ、七瀬さん」
俺が奴のデマカセにマジレスしていると急に空間が歪み始めた。
歪みが収束すると俺はなぜか雀荘の中にいた。
「おお、ジョン君か、久しぶりじゃないか。隣にいるそこの君は確か世界1構成人数の多いアイドルグループと名高いカタストロフダージリンのガイア君」
「ほう、なるほどですな。カタストロフダージリンもついにこのステージに上がってきたということですか」
「ガイア君は自分のところのアイドルを連れてくるとは準備がいいですな」
「おい、そんなやつより俺の話を聞け」
雀卓に並んだ謎の3人のおっさんと茶髪の青年が目の前にいた。
なんだここは。
それにアイドルを連れてきたとはどういうことだ。
おっさんが先ほど見つめていた方向を見るとドヤ顔のゼウスちゃん、青ダヌキ、ハーちゃん、キールの4人組がなぜかいた。