5話 カタストロフダージリン
「私たち、紅茶がぶ飲み系アイドル カタストロフダージリンです。新人ですが頑張りたいと思います。では聞いてください。『それは紅茶じゃねえ!』」
凄い……。
ゼウスちゃんと青ダヌキ、歌詞とかダンスとか事前に何も考えてないのに、魂だけで踊ってる。
「見ろよ、アレ。あのアナグラムみてえな歌詞と踊り! 最高にロックだぜ!」「ああ、あれはロックとしか言いようがねえ」「なんだありゃあ! 無秩序そのものじゃねえか! ロックだ」
わらわらと周りに世紀末の住民のようなガチムチたちが集まり始めた。
美少女(?)とホモ臭いガチムチたちの饗宴だ。
凄い全く正反対のモノの心が一つになってる。
―|―|―
「ふう、帝龍はみつからなかったが、最近なまってきていると感じてた体をよく動かせたな」
「そうですか。僕はその言葉を聞けてうれしいです。ゼウスさん自身が広告塔になることで帝龍の情報を集めることに役立ちますし」
「もうだめだ。喉が渇いて……」
ダンスが終わり、ゼウスちゃんを労っているとアンドーが「ポカ〇、アクエリア〇……」とか言いながらブラックホールからスポーツ少年ががぶ飲みしそうな液体入った瓶を取り出した。
「何をやってるんですが、アンドーさん!」
パシイ!
「ああ、俺のポカ〇……。 喉渇いとんのに何やっとんじゃお前! 俺を力〇徹にするつもりか」
「あなたそれでもアイドルですか! 水分補給にそんな如何にも部活中の男子学生が飲んでそうなモノを。紅茶か何かキャピキャピした物体を飲みなさい」
「そんなもん飲んでるアイドルいねえよ」
「いるでしょ、そこに」
紅茶をガポガポ飲みまくっているゼウスちゃんを指さす。
「あれは特別わ」
「早く紅茶を飲んでください」
グビグビグビグビ!