3話 困ったときはエアロビクス
「父上!? 一体だれがこんなことを!!」
朝起きて、井戸に顔を洗いに行くと孤児院の十字架に吊るされたパパと屋根の上で爆睡しているゼウスちゃんを発見した。
「うう、朝からうるせえな……。なんだよいった……」
少し不機嫌そうな顔で孤児院から出てきたアンドーは驚愕したように目を見開く。
それから奴は我に返ったように悲鳴を上げる。
「うわああああ! 寝相で人がああああ!」
―|―|―
俺たちがビビりまくって悲鳴を上げ続けている間に孤児院の子供たちが、パパとゼウスちゃんを地面に下した。
幸いなことにパパに特に大事は無く、ただ眠っているだけだった。
「寝相があんなことを引き起こすなんて……」
「あいつのヤツはもう寝相の領域じゃねえよ。そういう武闘術なんかの領域だろ」
「なんか寝相をよくする魔道具的なものありませんか?」
「あるわけねえだろ、そんなもん。どこに需要があんだよ」
「あるでしょ、ここに……」
「それな」
何かゼウスちゃんの殺人的な寝相を止める方法はないだろうか。
そんなことを考えているとパパと子供たちがランニングしている様子が目に入った。
そう言えば最近ろくに体を動かしてないな。
もしかしてゼウスちゃんの寝相があらぶってるのはそれが原因だろうか。
動き足りない体が衝動を抑えられず夜な夜な動き回る。
きっとそれが原因だろう。
竜を捕まえに行くついでに何かよくわからないエアロビクス教室も探してみるか。
竜探し。
セブンスリーバーの対処。
エアロビクス教室。
この国ではやることが多いな。