29話 恐怖の百四天王
「「「「フフフ、侵入者か……。この透明な牙城に辿り着いたことは褒めえてやろう。だが貴様らには絶望しかない。なぜならここには我ら四天王、さらに百階層まで各階に配置された四天王がいるのだからな! 貴様らが貴神様の居室に辿り着くことはないとしれ!」」」」
「アアアアアアア! ソ、ソンナノゼツボウダアアアア!」
俺は異口同音の言葉を喋る金ぴか四人衆に向けて適当な返しをするとアッパーを振り上げる。
「「「「うわああああああ!!」」」」
四人衆はぶっ飛んで、天井をすべて突き破り、空に飛んでいく。
「これで100階層開通ですね」
「ハワワワ……」とか言っているアンドーをしり目に俺たちは竜がいるだろう頂上にハイジャンプする。
頂上に辿り着くと金色の竜が蜷局を巻いて、体を休めているのを発見した。
こちらが見るとあちらもこちらを視認したのかこっちに顔を向けてくる。
竜の近くにある外に通じるデカい穴が気になるな。
ネットで捕獲するタイミングでこの穴に逃げられるかもしれん。
注意を引いた方がよさそうだ。
「怖くないですよ。よーし、よーし、よしよし」
俺は警戒させないような言葉を呟きながら、竜に近づいていく。
眼と鼻の先に来ると敵ではないことを証明するために、ハグを待つようなポーズをとる。
「僕のがら空きの胸に飛び込んできてもいいんですよ。よーし、よし、よし」
ガブゥ!
そんな事を言っているとなんか知らんが目の前が真っ暗になって、粘着質な液体を首筋に感じた。
ああ、これは齧られてますわ。
「ま、マミった……」
「いまだ、ネットを射出しろ」
そんなことを考えているとネットで体にまとわりついてきた。
どうやら俺もろともではあるが帝龍の捕獲に成功したらしい。