27話 ペットにローキックは大きな確執を生む
――100年前
「gyaaaa!」
「おお、アズーはかわいいのう! ほれほれ」
ペットとしている金色の帝龍を貴神が撫でていると
バタン!
と大雑把に扉を開ける音がした。
見ると沌神がずんずんとこちらに歩み寄ってくる。
「なにこのデカブツ邪魔よ!」
唐突キックアズーバキィ!
「キャイン!!」
「アズーゥゥゥゥ!?」
「うるさいわね、情緒不安定なのあんた! あたしが来たんだから茶くらい出しなさいよ」
「情緒不安定なのはお前じゃ!! アズーゥゥゥゥ!!」
―|―|―
「gyaaaa!」
「なにぃ! わけの分からん連中から追い駆けまわされただと!」
貴神はそう聞くと沌神の顔が脳裏をよぎる。
「く、またあやつか……。も、もう流石に許せん! 下手人も帰蝶も成敗してくれるわ」
貴神は帝龍に待機を命じると外に通じる扉を開く。
するとちょうど眷属たちの作った政府を沌神が崩壊させる様が見えた。
―|―|―
俺がアンドー達の下に戻るとピンクと金髪女さんが上空で取っ組み合いを繰り広げているのが目に入った。
「あの人達は何をやってるんでしょうね」
「俺が知るわけないだろ。気になるなら本人たちに聞いて来いよ」
「嫌ですよ。あの感じだとクリムゾン、僕にも喧嘩吹っかけてきそうですからね……。トライアングルで殴り合いはごめんです」
俺が奴らとはかかわりあいにならないという意思を示す為に、クリムゾンたちがいる方角に背を向ける。
するとゼウスちゃんとマリーナがまたネットとこさえている様が目に入った。
もう夕方くらいだがまだ続けるようだ。
「ガイア、また音を探ってくれ」
「わかりました」
さっきのこともあるので、黙って俺は耳を地面につけて音を探る。
「竜の鼓動が聞こえてきます。どうやらあそこにいるようですね」
俺はどこにでもありそうなみすぼらしい山を示してそう伝えた。