24話 三秒待つと言ったな、あれは嘘だ
「よし、届く!」
「ゼウス、これを使え、龍捕獲用のネットだ!」
ゼウスは安藤の投げたそれを受け取り、金色の龍に向けて投げる。
「捕まえ」
「あははは! 捕まっちゃった!」
するとなぜか網の中にマリーナが掛かっていた。
「……」
「ドンマイ」
―|―|―
「陛下、我々がディオグランドの方針に背き、代表を選出するたびに暗殺しているなど世迷言でございます!」
政府の代表ことマクロ・ファージはまるでそんなことは毛頭ござらんと言った顔でこちらに言ってくる。
顔がマジぽいけど、ファックマンの心理テキストと矛盾するからな。
仕方ないので真眼を使って、奴の心理テキストを見ることにする。
『やべええええ! バレるバレる! なんかいい言い訳ないか! 俺だけ責任逃れ出来る言い訳! うわああああああああ!』
このおじさん顔だけ平静なだけで、内心めちゃくちゃ動揺してるな。
動揺というかもはや、精神崩壊の勢いだ。
こんな精神状態なのに、顔にまったく出ないとか狂気を感じざる負えないな。
「今正直に言えば、咎めは無しです」
「すいません、やりました」
「やはりそうですか。でも一体なぜ、そんな不毛なことを?」
「当たり前でしょう。国民どもが国を動かすというならば、我々は職を失う上、路頭に迷うのですから。止めなければ、我々に未来はないのですぞ」
なるほど、全員ニートになるのが嫌だと。
じゃあ職を用意しろてことか。
「ではイースバルツに職を用意しますので、そちらで働いてください」
「そ、それではここで築き上げた地位はゼロに戻し、下働きから始めろと?」
文句多いな。
言わんことはわからんでもないが、こっちは実力主義とか言ってるし、コネで二階級特進からスタートとかできないからな。
もういろいろと考えるのにバカバカしくなってきたな。
「いい加減にしてください。これ以上ここに留まればひどい目に遭いますよ」
「そ、そんなこと」
「我々精霊は不当な差別にはくしない! 政府の代表でってこーい!」
「ぶー!」「ブー!」「ブー!」「差別反対!」「スピリットライツ!」「ブー!」
窓を見るとピンクを先頭にして精霊の大群が政府に押し寄せていた。
口々に不平不満を口走っている。
「話を合おうというのなら三秒待つわ! 1、3、ファイア!」
三秒数えてないじゃん……。
ボゴーン、ボガーン、バーン、バーン!
政府崩壊!
「あ~れ~」
俺は空に向かって飛翔した