22話 美少女専門テイマーの朝は早い
プロ美少女専門テイマーの彼の朝は早い。
朝焼けとともに起床し、反社会勢力の構成員(美少女)との作戦会議。
それから彼女と別れるときに青ダヌキ(美少女?)から拝借したラクリマを渡す。
朝餉を作る音が聞こえてくると、起きた幼馴染(自称美少女)を出迎え、彼女の用意が出来るまで待機。
待機時間に彼に質問をしてみた。
美少女専門テイマーとは何なのか?
――テイム。
テイムとは何なのか?
――テイム。
テイムした先にあるものとは?
――……テイム。
彼の自問自答は続く……。
―|―|―
「聞えますねえ。ひと際大きな鼓動が。東の方向に聞えます」
地面に耳を当てて、聞えてきた鼓動について伝える。
「そうか……。ガイア、お前の耳は疑っていないが東は人がぞろぞろいる場所だから、あまりそこにいるとは思えんがな……」
「文句は見てから言えばいいだろ。まあ見つかるかはしらんけど。ふあぁ」
俺の報告にゼウスちゃんが神妙な顔つきでアンドーは欠伸をしながら答える。
人込みをかき分けて進んでいくと東側から金色の飛翔体が見えた。
「あれは! 帝龍! 行くぞ!」
ゼウスちゃんはそれを見るとダッシュ。
後ろを振り向かずに一心不乱だ。
これならばラクリマであちらの様子を確認しても大丈夫だろう。
俺は懐からラクリマを取り出すと、現在、極度の疲労でほぼ全員の面子がダウンし、マリーナのみとなった反社会勢力の様子を確認する
するとラクリマには政府の正門から堂々と中に入っていくマリーナの姿が映りだされた。
『すいません、国民解放軍のマリーナですけど直談判に来ました!』
そういうとマリーナは縄でぐるぐる巻きにされて、兵士たちに中にご案内され始めた。
朝の作戦会議のなんだったんだ……。
これはあれだな。
現場に行かなければ。