表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
国で暗殺されそうなので、公爵やめて辺境で美少女専門テイマーになります  作者: 竜頭蛇
テイマー条約第6条 愛を込めたテイムをしなければならない
143/179

16話 ステータスが高ければ大概どうにかなる



 朝によって目を覚ますと目の前が真っ暗だった。

 どういうことか分からなかったがとりあえずもがく。


 バキィ!


 すると破砕音が聞こえて、体が上方にバウンドした。

 どうやら床にめり込んでいたらしい。


 周りを見つめるとアンドーを抱き枕にしているゼウスちゃんと、盗賊にあらされた後のような部屋が目に入った。


「伝説で……アーティファクトな……紅茶……」

「ううぅ……」


 ゼウスちゃんが願望の駄々洩れな寝言をつぶやくと、洗脳に抗う兵士のような呻きをアンドーが上げる。

 凄まじい光景だ。

 これが一人の寝相から作り出されたと思うと、驚きを禁じ得ない。




 ―|―|―




「ガンバエー!」


 身支度を済ませると我々は、眼鏡のお陰で玲子様のうさん臭い遍歴はもうわかったのでタカナシの講座を断り、アンドーの船作成の応援もとい監視を行うことにした。


 これで奴のガバガバ組み立てスケジュールが改善され、今日中にはこの島をたてるはずだ。


「頑張れていわれなくてもがんばてるぞ」


 アンドーはブツクサとどこぞの受験生みたいなことを言うと溶接を続けていく。

 我々は方や砂弄りをしながら、方やどこから出現させたのか分からない紅茶をがぶ飲みしながらそれを見つめる。


 というか、そろそろ砂弄って山作るのも飽きてきた。

 もう一時間経つからな。

 単純計算で船が出来るまで一、二時間だが、退屈でしょうがない。


「アンドーさん、すいません、暇つぶしのアーティファクトとかありません?」


「いやまずお前暇なら手伝えや」


「……」


 まあそれはそうだけど、船のことなんて知らないから無理だろ。


「船組み立てたことないから無理ですよ」


「俺が教えればすぐできる。ささっと紅茶マンと一緒に手伝いに来い」


「じゃあ手伝いますかね」


 俺は砂浜から腰を上げると紅茶マンのところに手伝いに行くように促すことにする。


「ゼウスさん、手伝いに行きますよ」


 ガポガポゴクゴク!


 おかしいなあ、催促したのに紅茶飲む音しか聞こえない。


 ガポガポゴクゴク!


「ゼウスさん、ちょいきま」


 バシィ!


 ゼウスちゃんを船まで導こうと手を伸ばすと弾かれた。

 ダメだ、こいつ。ただのお茶のみマシーンになってやがる。


 しょうがないので、俺だけ手伝いに行くことにする。


「ここをこうやって、こうして、こう!」


 するとアンドーが実演して教え始めたのでこちらも作業を始めることにする。


 ~五分後


「ふぅ。船が完成しましたね」


「いや、お前いろいろとおかしいだろ。何で教えてないところまで10倍速くらいのスピードで仕上げられるんだよ」


「フフフ、僕は公爵ですからね。ステータス補正ですよ」


「この世界にそんな補正掛からねえよ」


 アンドーが色々と困惑しているようだが、船が完成したのならこの島にいる意味など毛頭ない。

 悪しき邪教徒の教えを教え込まれる前にここから早く脱出しなければ。


「早くこの船でここから魔導国に向けて出発しますよ、アンドーさん。僕はゼウスさんを回収してくるので、操舵の準備をしてください」


「ええ、もう今日疲れたし一日くらい休みてえよ」


「まだ一時間ちょっとしか動いてないでしょ。もっと頑張ってくださいよ」


「しょうがねえな。宇宙戦艦ヤ〇トみたいな宇宙船のワームゲートの準備するかあ」


 よくわからん単語を連発していたがアンドーが了承したので、俺はゼウスちゃんを回収に向かう。


「おまんらあ! 何をしっとるんじゃあ、このレイコ―を出ていくというのかあ?」


 しまったな、さすがにバレるか。

 俺はゼウスちゃんをティーセットごと担いで甲板にハイジャンプする。


「よおく、外の世界が七瀬に支配されておって危険なことはあ、理解できたはずだあ。なぜそれなのにでってく? ワシらとともにここでレイコ―様に祈りを捧げることが最善だというのにい」


「いやその神話的な何か胡散臭いですし、七瀬にいろいろとしていることとかどうでもいいですし」


「ま、まってえ! このガイヤーカウンターがおぬすらに激しく反応しておるのだ。ガイヤーの生まれ変わりがおぬすらの中におる可能性が高いんじゃ」


 タカナシは顔のタテガミを取って指で示すとそう叫んだ。

 タテガミだと思っていたが、地毛じゃなかったことにひどく衝撃を受けたが、どう考えても嘘くさかったので無視して船内に入る。


 すると防音加工でもしてあるのか、タカナシの声は聞こえなくなった。


「よし来たか、魔導国に行くぞ」


 管制室に辿り着くと、謎のボタンをアンドーが捺した。


 ビューン!


 なぞの音がするとすぐに静かになる。


「魔導国に到着したぞ」


「何が起こったんです今……」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ