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国で暗殺されそうなので、公爵やめて辺境で美少女専門テイマーになります  作者: スイセイムシ
テイマー条約第6条 愛を込めたテイムをしなければならない
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7話 モテモテの最終兵器はブラックホールに

 俺とゼウスちゃんはあの後、アイズ村に戻って長旅の荷造りを済ませ、ガチムチに視察に行ってくると言い置くと、三国に渡るために二日前に港湾都市アンバサに来た。

 ゼウスちゃん曰く、イースバルツ領北からの陸路はあるが、吹雪がやば過ぎて頗る行軍しにくい上遠回りらしく、海路の方がいいとのことでこの場所で手続きする手はずとなった。


 そして今、手続きを終えた我々は夜空の下、船に乗りドンブラコドンブラコされていた。


「そういえば、竜を捕獲するための道具とかて用意出来ているんですか?」


「できていない。この世に帝龍を捕まえる道具など存在しないからな。現地で何とかするしかあるまい」


「なるほど、確かにあんなにデカいものを閉じ込めるケージとか普通作ろうと思いませんもんね……」


 俺は納得しながら頷き、横で目を眇めて星を見ているゼウスちゃんの肩を掴んだ。


「ゼウスさん!」


「な、なんだ?」


「もし帝龍捕獲用のアイテムが手に入るかもしれないとしたらどうします?」


「な……ん……だと!?」




 ―|―|―




 翌朝、俺は無駄にハレバレとした空の下、奴を召喚する準備にかかった。


「ゼウスさん、ここら辺で待機して、奴が黒い穴を開いたら取り押さえてください」


「……分かった。寸分たがわずにホールドしよう」


 それから俺は彼女から距離を開けて、対峙するとすぐに振り返り、後方にダッシュする。


「ふう、呼び出しか」


 声がしたので後ろに振り返ると狙い通りいつぞやのブルーラクーンが居た。


「チッ! またお前か。人のことをどこぞの青ダヌキと勘違いしやがる失礼な奴。俺は帰るぜ」


 奴はそんなことを言うと黒い穴をあけて去ろうとし始める。


 するとそこにゼウスちゃんが無意味に執拗な悪質タックルを繰り出し、ブルーラクーンをホールドした。


「ぎゃああ、なんだこいつ!? ノビー公助けてくれ! タヌキ鍋にされちまう!」


 奴は甲高い悲鳴の声を上げると、ノビー流遁走術の開祖に助けを乞い始めた。

 俺はそれを無視して、奴のブラックホールの中に手を突っ込み、例のブツを探す。


「すいませんね。悪いと思わないでください。あなたの持ってるレジェンド級アーティファクトを借りさせていただきます。ハハハ……。これで俺もモテモテに……」


「ガイア、お前……!?」

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