3話 いつでも女の子はワンダフル
丸文字を見て唖然としていると
バタン!
と扉の音がしてゼウスちゃんが入ってきた。
「私の手紙を返せ!」
ボコォ!
いきなりの右ストレートが俺を襲う。
空中で錐もみしながら態勢を直し、見事着地。
すると、ゼウスちゃんに悪しき矢文をガン見しているのが目に見えた。
「な、なんだとお! これは驚きの事実だあ!」
自分の恋文を見て、ゼウスちゃんは心底驚いたような声を上げる。
自分で書いたもんを見て、なんでそんな驚いてんだ。
もはや、彼女には狂気しか感じない。
「ゼウスさん落ち着いてください。それはあなたが書いたものでしょう。そんなに驚く必要はありません」
「ガイア、なんだと!? 手紙を見る前からすべて知っていたというのか」
「ええ、あなたたちのことはマルっと、ゴリっと知っていました」
「マルっと、ゴリっと……?」
ゼウスちゃんが俺の言葉を聞いて訝し気な顔をする。
彼女にはなに気になることがあるようだが、それよりも早く手紙の処理が大事だ。
ゼウスちゃんが早まらんうちに処理しなければ。
「その手紙はクリムゾンに渡してしまう前に焼却処分しましょう」
魔力を操作してゼウスちゃんから手紙をか攫うと、手刀でバラバラに切り刻んでから、火にくべる。
「敵の手に渡る前に処理するということか。手が早いな」
どうやら悪しき文書のことをゼウスちゃんはよく思っていなかったようで、賛同してくれた。
ふう、いいことしたぜ。
俺が悦に浸っているとゼウスちゃんが更に言葉をつづけた。
「これから裏切り者の帰蝶、ミルフィ、並びに邪神に足止めを掛けてから、龍の保護に向かうことになるが、貴様に何か有効な方策はあるか?」
どうやらゼウスちゃんはいたずらとペットを飼いたいようだ。
いつでも女の子はワンダフルてやつだろう。
「アーツでもぶっ放しまくりゃいい塩梅になるでしょう」
適当に返事をするとふっと疑問が生じた。
「ゼウスさん、ドッキリ大成功!の看板て用意してありますか?」
「いや用意してないが、そんなもの何に使うんだ?」
「そりゃこれからやることに必要でしょ」
俺は執務机を手刀で看板におあつらえのサイズに切り刻むと。
ドッキリ大成功!看板を作成した。
「では行きましょうか」




