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2話 開けてびっくりラブレター
ヘルメス宅の客間で矢文を燃やす準備をしていると、無性に中に書いてあるものが気になり始めた。
ゼウスちゃんがピンクに向けて書いて曰く付きものであるとはいえ、恋文なのだ。
めったにお目にかかれるものである上、テイムをする過程で書く必要があるかもしれないものだ。
見れるものなら見てみたい。
だが道徳的なアレで他人の手紙を無断で見るのはどうなのという罪悪感と、中にある怪文書によって俺の精神がブレイクされる危険性があることが制動をかける。
見たいけど、見れない。
悶々としながら、矢文を凝視する。
「まあ、我慢してもしょうがないか。チラッと見て、すぐ燃やせばいろいろと大丈夫だろ」
思いたったら、即行動。
俺は矢文を解くと、広げる。
するとそこには驚くべき文字群が記載されていた。
「こ、これは……!?」
広げた矢文を持ち上げて、灯りに翳す。
この一切角が無いというのに、見たものに錐で心臓で貫くような衝撃を当たえるフォルム……。
そして文字からあふれでる禍々しいほどの女子オーラ……。
間違いない、これは……!!
「丸文字……!!」




