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国で暗殺されそうなので、公爵やめて辺境で美少女専門テイマーになります  作者: 竜頭蛇
テイマー条約第6条 愛を込めたテイムをしなければならない
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1話 うん、うん、それも婚活だね

「ま、待て! 落ち着け!」


 俺が処刑場に連絡するために水晶のスイッチを入れるとゼウスちゃんのそんな声が聞こえた。

 無視して、水晶の中に見えるガチムチに要件を伝えようとすると、左腕にアームロックを懸けられた。


 グキィ! バキィ!


「ああぁあ~……」


 ~10分後


「ゼウスさん、我々の手は手を取り合い、協力するためにあるんです。暴力を振るためにあるのではありません。見てください、この腕を」


 俺は包帯でグルグル巻きになった厨二ルックの左腕をゼウスちゃんの前に差し出す。


「あんた加護でもうもう治ってるでしょ。恩着せがましいわよ」


 ボコオ!


「いた! あんた殴ってこないでよ。言ってることとやってることがガバガバよ」


「お前にそれを言われたくないぞ! いくらなんでも同盟結んだ瞬間すぐ裏切る奴がいるか。お前はヒ〇トラーかなにかか!」


「お前ら喧嘩をやめろ!」


 俺がピンクに飛び掛かるとゼウスちゃんがサイドから止めに掛かる。

 戦争の始まりだ。


 ~いろいろと終わった後


「ふう……。我々は先の醜い争いから学ばなければなりません。暴力ではなにも解決しないと」


 俺は賢者モードで炎と雷でチジれた髪の毛を真っ直ぐにのばしながら、ボンバーヘッドになった二人を見つめる。


「フフフ、変な髪型ですね」


「何笑ってのよあんた、ブッコ〇すわよ」

「おい、落ちつけ(憤怒)。お前ら二人をヤレバすべて解決する」


 ダメだ、こいつらちょっとしたことでガチギレだよ、とんでもない奴らだ。

 こっちが怒りたいていうのにとんでもない。


「二人とも冷静になってください。争いによって一方的に自分の主張を通すのは間違っています。我々は話しあい、互いが合意できる答えを見つけ出すべきなのです。では早速僕の主張から。ここではしばらくテイマー以外の不純異性交流を禁じるべきだと僕は思っています」


「なんであんただけ免除なのよ」


「当たり前だろ! テイムしなくて何がテイマーだっていうんだ! テイムしねえ、テイマーはただのテイマーなんだよ!」


「ガイアそれ、他のライバルを消して自分だけモテようと思う魂胆が丸見えだぞ、そんなもの許可しないに決まってるだろ」


 このゼウス……!

 前よりも鋭く、俺の内心を見抜いてきやがる。

 ニューゼウスは伊達じゃないということか……。


「じゃあ、範囲を狭めて我々の間で絶対に禁止という事にしましょう。それなら二人も納得でしょう」


「あんたがテイムする件についてはどうなのよ……」


「それは無論ありだ。俺も今年で16。結婚適齢期、ど真ん中。ここで波に乗らなきゃ、行き遅れになるのが目に見えてるんだ。みすみすこんなところで逃すわけないにはいかないんだよ」


「へー、ふーん」


 俺がそういうとゼウスちゃんの様子がおかしくなった。

 へー、ふーんてなんだそれは。

 おそらく女子の適齢期は14なので、俺と同い年のゼウスちゃんも行き遅れるという不安で情緒不安定になってるんだろう。

 ああ、だからピンクに手を出そうともしたわけか。

 なるほど、すべてが繋がった。


「いろいろとわかってしまったのでさっきの不純異性交遊禁止はやっぱなしで。ゼウスさんもこんなピンク野郎に惑わされず頑張て下さい」


「コ〇すぞ、お前」


 俺が気を遣ってそういうとゼウスちゃんの機嫌が最悪になった。

 頑張れとか言ったのが、上から目線に聞えたかもしれない。

 今何か言っても逆鱗に触れそうだし、ここは一端退散して後日フォロー入れるか。


「この矢文はクリムゾンあてのものですか。それは妨げになるのでこちらで処分しておきましょう。では、では」


 俺は最後にさりげなく気を遣って、ピンクへの恋情の込められている悪しき矢文を掻っ攫うと、その場からエスケープした。

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