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国で暗殺されそうなので、公爵やめて辺境で美少女専門テイマーになります  作者: 竜頭蛇
テイマー条約第五条 テイムしたものとはいかなる時も共にあらねばならない
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エピローグ 大陸(メス)ゲットだぜ!

「おのれ、ガイア! 舐めよって! ノースクラメルを謀略でたち行かなくした上に、戦争の勝敗を懸けて一騎打ちを持ちかけるなど! その傲慢ここで後悔させてやろう!」


 クロノス王がなんか知らんがブチギレ状態で無駄にデカい槍をこちらに向けてくる。

 いきなりキレる系の人とは出来れば関わりたくない。

 どうしたものかと思って、カンペを見ると台詞が書いてあったので読み上げる。


「ガイア、こちらでや」

『言うな!』


 するとママが眉間を寄せてカンペを追加した。

 どうやら台詞じゃなくて指示だったようだ。

 紛らわしい。

 俺はとりあえず、カンペの指示通り、檀上でダラダラしていることにする。


「それでは一騎打ち一番槍行かせてもらおう。そこで余裕の表情でつったておられるのも今のうちだけだ」


 クロノス王が槍を光らせてためを作るような姿勢になると、ママが手を挙げた。

 すると会場の外から光の玉の大群のようなものが一気に、殺到した。

 光が晴れるとクロノス王がヤムチ〇みたいな姿で地面に横たわっていた。


『決め台詞!』


 クロノス王の姿を確認するとママがめちゃくちゃ抽象的な指示を出してきた。

 いきなり決め台詞とか言われてもそんなもんはない。

 どっかの吟遊詩人が言っていた言葉を適当に見繕うことにする。


「我が心に一点の曇りなし!」


『曇りだらけでしょ……』


 うるさいわ!

 なにを根拠に書いたんだ、いったい。

 今のカンペ絶対必要なかっただろ……。


 内心、カンペのダメ出しに地味に傷ついていると新たなカンペが提示された。

 丁寧に末尾に(台詞)と付いているそれを読み上げる。


「これで大陸全土がイースバルツになりました。イースバルツ国民としてこれほどうれしいことこの上ありません。今すぐ宴を始めたいところですが、ここでアダルト王から重大な発表をしてもらいたいと思います。アダルト王壇上にどうぞ」


「うむ」


 俺が兄マンティーを呼ぶと若干緊張した面持ちで壇上に上がって来る。

 露出狂の変態でも流石に大衆の面前というのは緊張するらしい。


 奴に拡声の魔道具を渡すと俺は後ろに下がる。

 兄マンティーはのどの調子を整えるように咳をすると口を開ける。


「諸君、まずよくここまで我について来てくれた!」


「おお!」「当たり前です、国王」「ウホ、イイオトコ! 抱いてえ!」「アダルト!」「アダルト!」


 まず奴が謝辞を述べると国民たちが浮足だったように歓喜の声を上げる。

 どうやらあの変態は人気者の様だ。

 性癖のデパートだというのに、理不尽極まりない。


「驚き困惑するかもしれないが、我の言葉に耳を貸してほしい。我はイースバルツを王政とともに過去のものとし、新たな国を建国したいと思う」


 俺がストリッパーアイランドかロリコン帝国でも建国するのかと勘繰っていると


『驚いて!』


 というカンペが出された。


「わお! すごいなあ! びっくりだ!」


 俺が迫真の演技で驚いたふりをすると、


「あの様子だと魔王様にも話は通っているのか?」「イースバルツの一大発表立っていうのに貴族たちが平然としてやがる。折り込み済みだろう」


 国民がそんなことを話す声が聞こえた。

 この国にあるすべての目が兄マンティーに向けられる中、奴は次の言葉を紡ぐ。


「この国はもともと実力があるものを重んじる国だ。それなのに王政がまかり通っているのはひどく違和だと我は昔から思っていた。新しい国では身分に関係なく実力がある者が国を運営する役目を与え、徹底した実力主義を採用したいと思う」


「実力主義」「最高だな」「新しい国になったら俺はモテモテになるな」「俺がモテモテだろ!」

「馬鹿お前らじゃ無理だよ、俺がモテモテだよ」「喧嘩はやめろよ、俺がモテモテだ」

「おれがモテ――」


 ガチムチたちを中心に新しい国を喜ぶ声が上がる。

 俺も適当にパチパチと拍手してそれに乗っておくと更に兄マンティーは続ける。


「新しい国の名はデュオグランド、通名はこの国の立役者であるガイアこと魔王から名を取って、魔界とする」


「おお!」「魔王様の名をとった国ならば安泰だ」「ディオグランドは俺の国だ」「ディオグランドそれが俺をモテモテにする国の名か」「今からもうモテちまうな、困るぜ……」


 兄メンティーがお上から言えと言われたメッセージをこれで言い切ったかと思うと、俺の腕を変態はつかんだ。

 不意をつかれ、なされるがまま右腕を上げられると


「初代のこの国のリーダーは武力、智謀、礼節においてならぶもののないこの男――ガイア・フォースに一任したいと思う」


 兄マンティーがそう宣った。


 俺はガチムチたちの喜びの咆哮を聞きつつ、兄マンティーの顔をガン見した。

明後日から新章に入りたい思います。

よろしくお願いします。

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