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国で暗殺されそうなので、公爵やめて辺境で美少女専門テイマーになります  作者: 竜頭蛇
テイマー条約第五条 テイムしたものとはいかなる時も共にあらねばならない
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20話 己の誇りを懸けたストリートダンスバトル

 哀と怒りと悲しみのグーパンを奴に向けて突き出すと薙刀の柄でガードされた。


「あんた、半分しか覚醒してないくせに嫌に良い拳持ってるじゃない」


 ピンクはガードの姿勢のまま10メートルほど足で地面を抉るとそう宣う。


 奴がやったのは新手のムーンフォーク……。

 喧嘩の中でダンスパフォーマンスまで披露するとは俺の奴のことを軽んじて見ていたかもしれない。


 奴はどうやら俺の及びのつかないハイレベルな領域に居るようだ。


『飛炎葬』


 俺が戦いによる高揚を感じると、ピンクが薙刀から炎を放出した。

 平手でそれを叩き、後方に受け流す。


「お前ら、逃げろ! 魔王様と精霊の戦いに巻き込まれたら一堪りもねえ!」


 すると後方で爆発する音が聞こえ、ガチムチたちの悲鳴が聞こえた。


「一つじゃ、あんたには余裕みたいね。じゃあこれはどうかしら」


 ピンクは先ほどと同じようなものを五発連続で打ち出して来た。

 俺は先ほどと同じ様にすべて平手でいなす。

 すると後方で


 ドン! ドン! ドドン! バン! ドン!


 というビートが聞こえた。


「倍量ならどう?」


 今度は十発連続でこちらに炎が押し寄せてくる。

 俺は同じ様にすべて手でいなす


 ドン! バン! ドドン! ドン! バン! バン! ドン! ドン! バン! バン!


 俺はそのリズムを聞いて確信した。


 これはやはり、己の誇りを懸けた戦い……!!


 ゴクリッ!


「ストリートダンスバトル……!!!」


「全然違うわ……!!」


 嘘だろ。

 ここまでおぜん立てして梯子外す奴がいるかよ。

 と言うかお前、倍量しまくる意味が分かんねえよ。

 なんだったんだよアレ……。


「屁理屈ばっか言ってんじゃねえぞ、コノヤロー!」

「あんたこそふざけんじゃないわよ!」


 俺とピンクは互いに取っ組み合うと地面をゴロゴロ転がり始める。

 幾分か殴り合いながら転がり、体力を消耗するとピンクがこちらをぶん投げてきた。


「あえて言いましょう、ゴミであると」


「俺はそんな低レベルな悪口は感知しません」


 悪口で内心ブチぎれていた俺はもう一度取っ組み合おうとすると、土の壁が目に着き、わけのわからない場所に居ることに気付いた。

 一端ブチ切れるのを中断して、上下左右に展開された土壁を見回す。


「なんだ、この土臭い鉱脈みたいな場所は?」


「知らないわよ、新手の岩盤浴かなんかでしょ」


 薄暗いし、じめじめしてるし、ゾンビ系モンスター出そうだ。

 俺はゴースト系列のあれとかダメだというのに何でこんなところに……。


「あんたどさくさにまぎれたあたしの頭サイドから抑え込まないでよ」


「ちょっとくらい良いだろ、冷たいな。俺とお前の友情はそんなもんだったのかよ!」


「あんた都合のいい時だけ友情持ち出すんじゃないわよ」


 俺は真っ暗な土壁エリアを炎で照らし出すクリムゾンランタンを装備して出口を目指す。

 すると向こうから声が聞こえた。


「我らホモはいまこそ解放されるべきなのだ!」


 なんだこのおぞましい演説は……。

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