10話 変態をこの世から一匹残らず駆逐してやる
兄マンティーにべらぼうなGPを割りふった後、俺は近くの係員に服を持ってくように言いつけておいた。
おそらく奴は第三トラップゾーン「カゼフカヌ」でちゃんとした格好になるはずだ。
これ以上の精神的ダメージはナイスバディにかからないはずだが、もう彼女はこれ以上ないダメージを負っているからアウトだ。
俺は背後に居るナイスバディの顔を見るが、やはり完全に目が死んでいる。
サイコパスに誘拐されてしまった人質みたいな顔だ。
許せねえ、兄マンティー。
全部奴のせいだ。
合法的に奴を抹殺しなければ。
俺は頭をフル回転させて、トライアスロンの様子と参加者について思い起こす。
理性のないピンク、手段を択ばないヘルメス、むさくるしさ故に居るだけで周りの参加者にダメージを与えるガチムチ。
おそらく奴ら有力なギルティたちをけしかければ、兄マンティーを葬ることは可能だろう。
俺は奴らの様子を水晶で確認しつつ、奴らをたきつけるためのアイテムを作成し、奴らが居るだろう方向に向けて投げつける。
まずピンクが俺の投げた瓶を顔面でキャッチする。
「いた! 何よこれ! ブッコ〇すわよ!」
奴はそう憤りながら、瓶を地面に投げつける。
すると俺が中に入れた便せんが出てきて、それを拾い上げた。
「なになに、わしの心はアダルト一色、お前払拭、城を物色……。またですか。どうやらまた葬り去らねばならぬものが出来たようですね」
ピンクは大人の姿になって大跳躍し始めた。
ピンクの焚き付けには成功した。
あとはヘルメスたちを第三トラップゾーンまで移動させるだけだ。
ヘルメスたちのいる泉の方に水晶の映像を切り替えるとちょうど俺のぶん投げたドロネコ印の爆弾が爆発したらしく参加者たちが打ち上がっていた。
その中にヘルメスとガチムチを確認すると魔力の奔流を奴らに向けて放つ。
奴らはあれよあれよと流され、第三トラップゾーンにガチムチがヘルメスのクッションになる形で到着。
魔力の奔流で他の参加者も第三トラップゾーンに到着させてしまったが、特段増えたところで俺は困らないので良いだろう。
「これから水晶にあなたにとって喜ばしい光景が映ります、期待していてください」
変態を成敗することをナイスバディに約束すると俺は水晶に視線を戻した。