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転移?

 〜むかしむかしある所におじいさんとおばあさんがいました。

 おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きます。

  おばあさんが川で洗濯をしているとき、おじいさんは山でいつもの恒例行事、全裸になって芝を刈る、ということをしていました。

  とある芝を刈ってる最中、頭上に変な桃があるのをおじいさんは見つけました。

「なんだありゃ、まぁいいや、続けよか」

 特に気に止めませんでした。

 しかし、数分刈っていると、

「はぁぁぁあ、疲れた。寝転がるか」

 おじいさんはもう歳です。

 大の字になって寝転がりました。

 すると突然頭上にあった桃が降ってきました。

 おじいさんの息子に直撃、そのまま持って行ってしまいました。おじいさんが寝転がっていたところのすぐ横には川が...そこに桃は落ちていきました。

 おじいさんは叫びました。

「わしのむすこぉぉぉぉ!!!」

 そして流れて行った桃はやがて洗濯しているおばあさんの所へどんぶらこどんぶらこと流れて行きました。

 おばあさんはビックリしました。

 川で洗濯していると大きな桃が流れてくるではありませんか。

 おばあさんは近くにいたビーバーに言って川をせき止め、安全に桃をとりました。

 桃を取って最初に言ったおばあさんの感想は

「うぇ、不味そ、そうだおじいさんに毒味してもらおう。」

 でした。

 なんだか中心部分が軽く透けてて黒ずんでたようです。

 そのままおばあさんは家に帰りたいおじいさんの帰りを待っていました。

 おじいさんは息子をなくした悲しみと、柴を持っていかなければならない使命感のせいで追えなかった悲しみで胸がいっぱいでした。

「わしのむすこ、どうしたらいいのじゃろ」

 胸と同様にポッカリと空いたそこはとても寂しそうです。家に帰り、ドアを開けると同時に目に飛び込んできたのは、何やら色の悪い桃でした。

 おじいさんは思いました。

(まさか、あのわしの息子を持っていった桃?いや、こんなに大きくはなかったはず、半分ぐらい小さかったはずだ)

 考えているおじいさんを見て、おばあさんは思いました。

(さすがにバレたか...?この黒ずみよう、何か体に悪いのがあるかもしれないということを...。いや、このジジイは頭の回転の遅いグズだ、気づくはずがない)

 おばあさんはこう言いました。

「おじいさんおかえりなさい。みずみずしい桃ですよ、早く食べましょ。()()()()()()()()()()()()()()

 おじいさんはずっと息子を持っていった桃と思っていたのですが、おばあさんがまるで買ってきたもののように言うので、おばあさんを信じ、きっと違うだろうと思いこう言いました。

「よし、なら早く切って食べよう。」

「はい」

 おばあさんはしめしめと思いました。

(これでこのじじいを殺せる積年の恨みここで晴らしてくれるわァ!)

 以下はおばあさんが桃を切りながら思っていたことです。

(思えばあの時、親からの見合いの話が出た時、なんとも言えない、嫌な感じがあった。何故あそこで見合いを辞めなかったのか、後悔しっぱなしだ。

 子供はできず、金もなし、街のみんなは鉄筋コンクリートの壁に暖かい部屋がある中、私達は風通しの良い木の家など、なんて悲しい人生だったのだろう。あの紳士的な顔に騙され、直ぐにOKを出してしまった。

 ただのニートだったのに。今では山へ木を取ってくるとか行くようになったが、それも1か月前見に行ったら露出狂だっただけだ。あぁ、長かった、これで自由になれる)

 すっかり真っ二つになった桃から出てきたのは、おじいさんとももの間にできた息子でした。

 何故わかったのかって?

 その子供、後に桃他浪人生(ももたろうにんせい)と名づけられる子供のひたいには桃爺と書いてあったからである。

桃は死に、片親となった桃他浪人生は日の丸の書かれたハチマキをする約束で、おじいさんとおばあさんの家に泊まれることになりましたとさ。

めでたしめでたし。〜



この一冊の本を読み聞かせ終わった俺は、図書館に来た児童たちに別れを告げ、帰路についた。

「はぁ、やっと終わった。」

ずっと本を持っていた方の肩を揉みながら歩いて帰っている。俺こと、普通 邪菜井(ふつうじゃない)はバイトで本の読み聞かせを行っている。生活は苦しくなく、親もいて、どちらかと言うと裕福な暮らしだ。

だが、

「はぁ、、つまんねぇなぁ!どっかで読んだテンプレみたく、俺も異世界行きてぇ!」


すると突然足元が光り、足が飲み込まれていくような感じがした。


だけだった。

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