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25.病床

「何も泣くことはないだろう。……お前、本当は泣き虫だったんだな」

「そうね。そうなんだと思うわ」


 本物のロベリタだって、貴族として生まれてしまっただけで、きっと泣き虫だ。

 だって両親を殺してしまった彼女は、泣いていた。きっと泣いていたのだ。血生臭さが支配する儀式の空間の中で、歴史よりも軽い命に泣いていた。

 ハーバードの御両親は、どうなのだろう。お母様は反対していると聞いた。私、ロベリタが親殺しの儀をさせてしまったから、免除へと向かうはずだった道は閉ざされたと聞いている。半分はロベリタのせいで彼は苦しんでいるようなものだ。それなのにどうして、今も親殺しの儀を成功させようと奔走しているのだろう。


「ねえ。……ハーバードは、無理に儀式を遂行しなくても良いんじゃないかしら。お父様とお母様は王位を譲ると言っているんでしょう? だったら……」

「言ったはずだ。俺はお前の為に人を殺めると。両親だって、例外ではない」


 重く、告げられた。その中に覚悟だけではない何かが見えて、私は少しぞっとする。


「でも、私が儀式を遂行したからって、そんなのハーバードには関係ないじゃない。ハーバードは、ハーバードの道を……」

「関係ない?」


 腕をきつく掴まれる。思わず呻き声が漏れた。病人の力とは思えないほどの、強い力だった。


「ハーバード? 痛いわ」

「お前、関係ないって言ったのか」


 凄まじい力でベッドに腕を縫い付けられる。貴族と言っても、男性の力にはかなわないらしい。彼相手にナイフを向けるわけにもいかず、されるがまま、耐えているしかなかった。


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