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20.権力争い

ハーバードが倒れた。その知らせを聞いた私達は、すぐにハーバードの住む場所へと向かった。

外にあまり出ていない為に知らなかったが、ハーバードはこの屋敷に住んでいるわけではないらしい。当たり前と言えば当たり前なのだが、この国の王が住む城、つまり王城に住んでいるとのことだった。私が最近調子を悪くしていたので、ずっとこの屋敷に詰めていてくれたらしい。

何故、倒れたのか。容態は無事なのか。知らせを受けた張本人であるアランを問い詰めると、落ち着いて、の言葉と共に勢いを制された。そうして病状が告げられる。


「親殺しの儀に、誰かが手出ししたらしい。……ハーバードの使う刃物の柄に、皮膚の上から浸透する毒が塗られていたんだってさ」


毒。それはこの世界の私を殺した劇物だ。しかしこの世界のロベリタは、自ら望んでそうした。故意に毒を塗られたらしいハーバードとは事情が違う。一体、誰がそんなひどいことをするのだろう。


「容態は……まあ、ロベリタ様よりは軽いよ。まだ眠ってるみたいだけど」

「一体、誰がそんなことをするの? 毒を盛るだなんて……」

「表向きは、ロベリタ嬢とハーバード、同じ犯人が毒を盛ったと思われるだろうね。僕らにしてはややこしいな」

「……そうね」

「ハーバードは今、権力争いの矢面に立ってるんだ。何も不思議なことじゃないよ」


権力争い。初めて聞く情報だった。皇子だと聞いていたし、確かに、親殺しの儀で何か揉めているらしいと聞いている。そんな時に毒を盛られるということは、誰かがハーバードが王になるのを防ごうとしているのだろうか。

アランは、状況の良くわかっていない私に、懇切丁寧に王城の内情を教えてくれた。ハーバードには3人の弟がいること。弟達自身はハーバードに王位を譲るつもりだが、妾である皇妃達が各々自分の息子を王にと策略を企てていること。魔法の国の出身であるハーバードのお母様が、親殺しの儀を拒んでいること――それらはすべて、私達ベルマーニ家にも飛び火してくるであろうということ。


「ハーバードが王にならなきゃ、お姉ちゃんの婚期も伸びるだろうからね。物騒な時期に、お姫様は事を起こしてくれたんだよ」


まるで、ハーバードの暗殺を後押しするかのように。アランは小声でそう告げた。


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