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11.親殺しの儀

「18歳の誕生日に、武具の儀で選んだ武器で親を殺すんだ。それで正式にその子供がその家を継ぐ跡継ぎになる。あ、魔法の国はまた別だけどね」

「子が親を殺すの? ……ってことは、アランは一族の頭領だから……」

「そ。もう殺してるよ。俺は12の時に全部済ませた。俺の一族は風の一族って呼ばれてるけど、その中でも早い快挙だって喜ばれたんだよ」


 風の一族。アランの一族はそう呼ばれてるんだ。

 12歳。私が12歳の頃って、まだ親に時間割とか見てもらってた気がする。そんなころに、この少年は親を殺したのか。先程のナイフ捌きを思い出すと、なんとなく納得してしまう自分がいた。


「ちなみに、おねーちゃんももう済ませてるよ。今年18だもんね」

「え゛!?」


 衝撃的な一言に、思わず声が濁った。ロベリタの身体は基本的に高い声に慣れているらしい。すぐに咳き込み、アランに大丈夫? なんて言われてしまった。

 私は、ロベリタはもう、親を殺している――。彼女の深い一面を垣間見た気がして、私は表情が強張るのを感じた。武具の国。想像していたよりも、その実態は物騒な歴史でできているらしい。


「私も、親を殺したのね……」

「そ。今はハーバードが代理で管理してるけど、ベルマーニ家の当主様でもあるんだよ。女の子に先を越されるなんて、腰抜けだねえ、ハーバード?」

「……儀が終わったらお前、どうなるかわかってるだろうな」


 ずっと無言だったハーバードが、憎々しく言葉を放つ。


「で、でも、親を殺すなんて、そうそうできることじゃないと思うわ。ハーバードは優しいのよ。ねえ?」

「……っ」


 フォローしたつもりだったのだが、逆に傷つけてしまっただろうか。視線を合わせたが、すぐに逸らされてしまった。


「じゃあ僕は優しくないって事? 酷いな、お姉ちゃん」

「そ、そうじゃないのよ、ねえ、アラン。ハーバード。人によって歩み方が違うってだけで……」


 更に墓穴だ。私はフォローが上手い方ではない。どちらかというと、アランの方がその辺りは向いている(変に大人びているし)と思うのだが、肝心のハーバードと犬猿の仲なのだから仕方がない。


(こういうの、ずっと続くのかしら)

 腹の底の見えないアランに、まだ何を考えているかよくわからないハーバード。二人を目の前にして、私は盛大に溜息を吐いた。


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