現実はいつもハッキングである。
修理士。
それは意外と珍しいなんでも修理できる人を指す言葉。
修理士は基本何でも修理できるが、ほとんどは修理屋と変わらない。
そして技術が要求される仕事が多いがその割に入ってくる給料が安い。
[眠たい!仕事したい!!仕事カモーン!!!]
この男(鋳型 領聖)いがた りょうせいはノートパソコンのキーボードを打ちながら嘆く。
[自分はプログラム修正の為に修理士になったんじゃないんだよぉ〜]
やまたもや嘆くが画面では次々とバグなどが取り除かれたプログラムが正常に起動して行く。
数分したらプログラムは完全に修正され正常に機能するだろう。
[ふぅ〜]
一つため息を漏らす。
キーボードを打つ手を止め現在いるカフェで数分前に頼んだカプチーノを口にする。
そして不意に外を見る。
外ではゾロゾロと大軍アリのように列をなした人たちが信号が青に変わると、無規則にスクランブル交差点を渡って行く。
通り過ぎて行く人を見ながらもう一口、口の中は完全に甘みに支配されて行き、糖分が補給されて行くのを実感できる。
そしてカップをテーブルに戻し、作業の続きにかかるがーー
[っチ]
画面にエラーが表示される。
しかし普通のエラーではなくハッキングによるエラーだ。
しかし普通のハッカーならエラー表示を出さずにハッキングをする。
つまりこれはーー
[面白い、受けてたとうじゃないか]
【決闘の合図だ】
すぐさまプログラムを解析してウィルスを洗い出して行く、ウィルスを一つ一つ消去して行きそれに対しての予防戦を貼る。
様々な技術が交差する中気づいてはいなかった。
窓ガラスを突き破って突っ込んでくるタクシーらしき乗用車の姿をーー
突如視界が横へとスライドする。
強い痛みに体が支配されてながら意識を手放した。
後に残ったのはひび割れた液晶に移るプログラム修正完了という文字だけだった……