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マリアージュの場合 事実無根

サブタイトルに違和感を感じるけど、まっいっか。



学園での事を両親に話して解決策を練らないといけないわね。

そのためにはしっかり思い出さなくては……




王宮で教育を三年。

その後、学園に入ってもうすぐ三年になる。


王宮の三年間で傷ついた身体と精神を抱えて、入学したけれども。

第三王子とともに入学式に臨んだ時から、嗤われていた気がする。

なるべく人目につかぬように行動するも、何故かいさかいに巻き込まれている。

王子には嫌われているのを知っていたから、なるべく離れて行動していた……

ダンスの授業では婚約者ということもあってパートナーとして無理矢理組まされてしまった。

ダンスはそこそこ踊れていたと思うのだけれども、思っていたより王子のリードが拙く私がカバーをしてしまって睨まれてしまった。

睨むぐらいならもっと積極的にリードを……と思った所で思い出しました。

私は嫌われていたのだと。


ぎごちないダンスのせいで、成績は……

これ、(マリアージュ)は悪くないと思うのだけれども。


マリアージュのマナーはこの手のせいで音をたててしまう事もあるが、それ以外の立ち振舞いは完璧だと思うの。

えっと、王子は……見なかった事にしております。


外国語も含め、語学は好きです。

外国からいらした方をもてなす事を考えると、貴族としては当たり前の事ですものね。

詩集を諳じてみるのもたしなみの一つです。


刺繍や編物は得意ではありませんが、時間をかけてよければできるので問題はありません。


ええ、何も授業においては問題は無いのです。勉強も嗜みもほぼできますので。



問題は、貴族としての人付き合いでしょうか。



一応、第三王子の婚約者と知らされてはおります。

第三王子派の取り巻きもいます。実家も力のある公爵家ですし……親からいわれて引っ付いてくるものもいるのですよ。

しかし何故でしょうね?えらく威張っているあの取り巻きたちは。

マリアージュは食事も食堂ではとらず、いちいち寮の部屋に帰ってから摂ります。


ここまで思い出して気づきました。なんてバカな娘。

悩んでいてもそれ自体に気づかなかったなんて。

王子に嫌われているのですよ?そして皆まだ子供なのです。

つまり、立場を入れ替わりたいのです。

蹴落として王子妃になりたい、もしくは入れ替わらせたいのです。それが王家の意向だなんて思いもしないのでしょうから。


道理で取り巻きといいながら(マリアージュ)より華美で目立つ服装や装身具をつけているわけです。

何かしても罪は(マリアージュ)に押し付ければいいだけですものね。



では、我慢のならなかった事だけでも伝えましょうね。





「ユリア、お父さまとお母さまにお話ししたい事があるのでお時間を割いてもらえるかきいてみてくれるかしら。もう惨めな学園には戻りたくないのを解っていただきたいから。今までちゃんと話さなかったから、誤解をしてしまったわ。そのような事は繰り返したくないのよ」


ユリアはびっくりしたようにこちらを見ています。


「お嬢様は諦めるのをやめたみたいですね」


ユリアは気づいていたのね。そういえば、(マリアージュ)が溜め息をつくたびに温かいものを淹れてくれていたわ。

もう少しユリアとも話せば良かったのね。


「学園での事や寮の生活の事を話してみようと思うの。そうすれば婚約の事も考え直していただけるかもしれないわ」


「ええ、わざわざ不幸になる事はないと思います」


「あ、やはりユリアも思っていたのね」


「少し侍女仲間から聞いておりますから」


えっ?侍女は寮の中で待っているのに学園での事も知っているの?

びっくりしてぽかんとユリアを見てしまいました……

淑女らしくないですわね……


「本来はそのような事を漏らしてはいけないのでしょうが、主の言葉などから察して、他家への転職を勧められたりしていたので……」


まあ……


「ユリアはどんなことを聞いていたの?」


「そうですね……ディアン王子の寵愛をうけてる方のことやサマエル様のお友だちのこと、アリスンさま達のなさりようとか……」


まあ……

(マリアージュ)の言葉だけではなく、ユリアの話しも聞いて貰いたいわ……


無理矢理ユリアにも茶席についてもらうよう説得しました。




……という事ですの。と(マリアージュ)が話終えると両親が真っ赤になって怒っています。

ええ、今まで受けた仕打ちを覚えている限り伝えましたから……

もちろん、ユリアの話しも聞いて貰いました。



そりゃあ、怒りますよね?

まともにダンスレッスンが出来ていないのをこちらのせいにされたり、国際的な社交が出来ないと言われていたのが(マリアージュ)のせいではなく王子のせいだったり、虐めをしているのが(マリアージュ)の取り巻きと思っていたら、その子は我が家の政敵の娘だったり……


何も知らなかったのね、マリアージュ……


記憶に残ってるのは

『もう纏わりつかないで』『私は気にしていないので』『だめよ。何もなさらないで』『ディアン様には何も言わないで』『ともかく静かになさっていて』

必死に何もさせないようにお願い(・・・)していた。

やり方が多分良くないのよ。本当にさせたくないなら命令すればいいだけですものね。王子以外では一番格上の地位にいると解らなかったのでしょうか……


とりあえず、お父さまには婚約の破棄をお願いし領地での療養を認めていただきました。

今までの事や倒れてしまった事で婚約の取消し(・・・)がなされたのはよかった。


学園の卒業式まであと二週間……


ようやく次回『卒業式』です。

はぁ、終わった……


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