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短編集。『五分間の奇跡』  作者: 鴉野 兄貴


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通勤時間は約零分

 俺はテレポーテーション能力者だ。

 東京は丸の内に勤めている。俺の能力は引く手あまたで、彼方此方から引き抜きがあったのだが結局祖国の公務員の道を歩んだ。

 自宅は福島県の田舎。オフの日は一人趣味の陶芸をやって過ごしている。


 突然電話が鳴った。

「太田君。すまないが今すぐ来てくれないか」

「今日は非番ですよ」

 こうして本日の自信作は土くれに変わった。


「太田君。ちょっと来てくれ。緊急事態だ」

「あの。今火入れ中なのですが」


「太田先輩デートしてください」

「あ。おっけぇおっけぇ。今すぐ行くね。今何処? え? ニューヨーク? むう。そっちに行くだけならば簡単なのだが不法入国になってしまう。一旦成田行くから待ってね」


「太田。遊ぼうぜ」

「山口。今山形か? というか山口が山形で山形が山口に住んでいるってアレだな」


「俺たちの住処にケチつけるなよ」



「太田君だね」

「まず自分から名乗ってくれないかな」


「日本国の某所に原爆を仕掛けた。爆発されたくなければ今すぐ言うことを聞け」

「ふむ。君の言う原爆は君の国のどこかに飛ばした。頑張って探してくれ。え? ブラフだろうだと? それを確かめたければ起動させればいいじゃないか。少なくともキミたちが隠した場所には無いぞ」


 ちなみに理由は解らないが曖昧な指定でも移動できる。

 こうして俺は趣味の陶芸を。


「太田。酒呑みに行こうぜ」「太田。美術館巡りを手伝ってくれ」「太田。婆ちゃんの手荷物送りそびれた。代わりに頼む」「太田先輩。デートしましょう」


 俺の能力は確かに時間がかからない。『モノや人を移動させる』限りならば言われた瞬間に依頼者の目的が達成される。

 しかし、時間がかからないと言っても依頼される間のわずかな時間で俺の時間がどんどん奪われている気がするのは何故だろうか。


「太田君。核廃棄物をどこかの恒星に放り込んでくれないか」

「太田君。不要な地球上の余剰二酸化炭素を全て捨ててきてくれ。二酸化炭素排出権が高いのだ」

「太田君」「太田君」「Hey Mr.Ota」「(各国語の依頼)」



「太田殿。福島の除染作業の次は同盟国アメリカのビキニ環礁の除染だ。いつものようにパパっと放射能だけぶっとばしてくれ」

「太田よ。我が国に溢れるPM2.5を日本にぶっとばしてくれ」

「太田。尖閣諸島の地下資源をくれ。そうすれば領土問題は諦めてやる」

「太田。竹島と対馬くれ」

「北方領土が欲しいだろう」


 俺は全人類を異世界に飛ばした。

 お前ら異世界トリップ好きだろう? 頑張れファンタジー。

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