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ボトルに入った手紙
小さな手紙を乗せて透明なビンは海に出ました。
『友達になってください』
鯨さんはビンの言葉に首を振りました。
「ぼくはその瓶を開けることが出来ない」
小さなお魚さんたちは太陽のきらきらでひかるビンに拍手しながら「どんなお手紙が入っているのだろう」とつぶやきました。
ごうごうと波がビンを弄び、雷が鳴る夜もビンは手紙をまもって旅を続けます。
そしてある日、小さな海岸にたどり着きました。
潮の香りとどこかで誰かがバーベキューをする様子がビンに映ります。
砂を踏みしめてやってきた小さな足の持ち主が呟きました。
「あ。これぼくが昔送った手紙だ。懐かしいな」
ビンは今でもその子の家の窓を飾っています。
ビンに子供たちが微笑む顔が映りました。
「あのね。ぼくの友達を探してほしいの」
ビンは再び大きな海に旅立っていきました。




