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短編集。『五分間の奇跡』  作者: 鴉野 兄貴


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日本アレルギー協会

「ヤバいんです。俺日本アレルギーなんです」


 その青年は細身で程よく鍛えられた身体の持ち主だった。

 彼は女性の羨望を一身に受けるその端正な顔立ちをゆがませて呟く。

「日本は消滅して国連にその身を委ねるべきだと思うのです」

 若い頃には良くかかるものですから安心してください。


「漫画が売れないんです」


 四十歳で不惑と言いますが、高齢者も悩み戸惑う病が日本アレルギーです。

「日本の悪事を漫画で告発していたのにちっとも売れないのでパリの日本漫画展に出展してバカ受けしました」

 そうですね。でもあなたは日本の漫画家ではないでしょう。何故出てくるのんですか。

「だって日本のバカ漫画家どもはパリの漫画展に出ませんからね。おかげで宣伝になります」

 そりゃ出版社共々儲かりませんからね。面白くないですし。

 そもそも何故漫画で政治を語るんですか。

 あと、パリの方々はあなたを日本人だと思っていますよ。おそらく。



「そもそも漫画というのは日帝が勝手に押し付けた名前で、歴史ある呼び名は」

 漫画の設定話は他所でしなさい。


 その漫画家の彼は四〇を過ぎても消えない情熱で色々私に相談とも演説ともつかない言葉を繰り返していたが私がひたすら彼を誉め続けるとなんとか機嫌をよくしたようで無事に帰宅出来たようだ。人糞酒の飲みすぎである。アレは意外とイケる。今度また持ってきてほしい。


「死ね死ね死ね死ね死んじまえ! 日本人は皆殺し」


 それは歌詞ですか? 歌詞でしたらなろう規約に違反して削除対象になるのですが。


「先生。そもそも人種差別的発言はなろう規約違反では」


 これは人種差別の話じゃありませんし何処にそんな要素があるのでしょう。特定の人種や団体を避難した小説でもありません。

「日本人を差別しています」

 それは大丈夫です。あなたのような人に日本人は意外と寛容ですから。


「いや、差別的でクソでどうしようもない連中です」



 生活保護を受けてフェラーリを乗り回しているあなたのお小遣いの為に馬車馬のように働く日本人ワーキングプアの皆様に一言どうぞ。

「莫迦は一生底辺やってろww」

 ブーメランですねぇ。


「多くの日本人は我が国と仲良くやって行こうと思っているのです」


 今度は大物ですねぇ。強めのお薬を処方しておきましょう。


「あの差別主義者の軍国主義者は靖国神社に参拝して我が国との関係をぶち壊しに」


 いえ、あそこは普通に戦死者祀っていますから。新撰組の皆さんは違うらしいのでファンの自分は納得いきませんけど。あなたの国にだってあるでしょうに。

「無宗教の墓地を作るべきなのです」

 いや、旧ソビエトにだって戦死者を弔う施設はありました。そもそも死者を弔うのは既に宗教です。


 というか、貴方の国が勝手に主張する借金をはらいたくないための嫌がらせだと思います。『こちらの対話の窓は何時でもオープン』ですからねぇ。


「金が欲しければドゲザしろって意味じゃないですか!!」



 そうなりますね。だからあなた達が手をだせない間にガンガン他所に外交交渉して周囲を固めているのですよね。あの人。


「〇国人は日本から出ていけ! 死ねぇえええ!」


 重傷患者が来ちゃいましたねぇ。取り敢えず拘束しておきましょうか。

 善悪もイデオロギーも所詮集団を維持するための武器に過ぎないのにどうしてそれに操られてしまうのでしょう。Twitterの無責任なリツイートと、にちゃんねるのヤリスギには注意してくださいね。

 アフィリエイトサイトのカネ稼ぎに誘導され、何故あなたは通信費用と人生の時間をかけて励むのですか。なんの得もありません。


「先生。私はもう日本から出ていきます」


 就職先が無いんですよねぇ。同情します。


「というか、研究費を削られて自助努力とか言われるのです」


 あなたもですか。本当にそうですよね。


「俺、書いた小説の権利がいつの間にか某国に奪われていました」


 良くあります。翻訳契約には要注意です。出版社も利益で動きますからね。



「ワシは医療費無料じゃなくなってお竹婆さんと会えない」


 病院は老人の集会所じゃありません。歳取れば体調悪いのは当たり前ですので無駄と言われても仕方ないでしょう。

「こんな国に誰がした」


 いや、普通に有権者ですから。というか基本的に選挙権持つ若者より高齢者のほうが今は多いのです。

 つまり、既存の有権者であった、あなたたちの責任です。



「先生。日本アレルギーが治らないんです」


 その癖日本から出られない。因果なものですよねぇ。日本アレルギーは一生付き合うモノですので気長に行きましょう。



 気長に。ねぇ。


 一千年以上続いているなら一千年続く可能性もあるんですよね。どうなんでしょうねこの辺は。まあ若い皆様の努力に任せましょう。私は年寄りですし。



 今後一千年この国が続くために、日本アレルギー協会は会員の皆様が快適な日本ライフを送れるように応援しております。日本アレルギーに悩む方はお気軽にご来訪くださいな。

※ 「日本アレルギー協会」は実在する同名の団体とは一切無関係です。

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