彼女がいないからナメクジをバラして3Dプリンタで彼女を作ってやる
3Dプリンタで人間を作ってみた。(註:グロです)
18禁版も宜しく。
にんげん(60kg)
水40リットル 炭素20キログラム アンモニア4リットル
石灰1.5kg リン800g 塩250g 硝石100g 硫黄80g マグネシウム50g
弗素7.5g 鉄5g ケイ素3g マンガン3g アルミニウム1g そのほか少量の13の元素
計3000円(ヤフー知恵袋より転載)
やぁ。モテない男だよ。
どうモテないって?
ネットで歌い手を名乗って視聴者を釣り、淫行したピザより不細工で特技もなく、運動もできず人見知り。そんな具合のモテない男さ。笑えよ。
そんな俺でもちょっとした知識はあるし、通っている大学にいいものがあったのでこれからいいものを作ろうと思う。
『彼女』だ。
なに? ナンパ? この容姿でか?
この悪臭放つ腋臭とインキンの身でか?
インキンということは当然水虫もある。笑えないだろ。そんなことはどうでも良い。話を戻そう。
3Dプリンタっていう機械を知っているか? 素材を出力し、色々なものを作る機械だ。
本来は整形が難しい車の部品、肉や筋肉、骨格、人体の欠損部位、腎臓まで作ってしまえるという夢の機械だが、俺はこれを使って彼女を作ろうと思う。
ポヨンポヨンおっぱいのグラビアアイドルの遺伝子データや体型データも、今日日流行りのiPS細胞技術の発展により髪の毛一本を拾えば作れる。
大学のちょっと美人のマドンナ。
本人が気づかないうちに赤外線を当てて体型をコピーさせていただいた。
腹の細さと胸の形はちょっといじらせてもらったが。
あとはタンパク質、水などを組み合わせて作ればいい。
ナメクジのほとんどは動物性タンパク質。
ハンバーガーの肉として某チェーン店で使えないかと研究が始まっているのは知っているかい?
ああ。この話はフィクションさ。
そういうことにしておいてくれ。
命の冒涜? これから作るものに命があるのかはわからん。そもそも同じ物体を作ったからと言って立ち上がり、自立し、思考し、心を持つかは俺でもわからん。
なんでナメクジ?
なんでだろうな。
普通にタンパク質でいいのだがナメクジで作りたくなったとしか答えようがない。
さすがに三〇匹くらいしか混ぜることができなかったけどな。
さてと。
気分はフランケンシュタイン博士だがあいつも映画では美女を作っていたらしいな。
首だけ挿げ替えた美女。
身体は醜く顔は綺麗な女、顔だけ綺麗な女。
肉の値段の安さは前述の通りだ。
たった3000円で手に入る。
むしろナメクジを捕獲して回るほうが大変だったくらいだ。あと希少物質いくつかと。
美女の価値って何なのだろうか。
美醜か。心か。
まず最初に美醜が来てフェロモン、香り、雰囲気、表情などが加わり、人からどう見てもらっているか強烈に意識することで産まれていく。そう仮定してみる。
ならばこれから作る肉の塊は絶対に美女にならない。彫像は美しいがあくまでそれは彫像だからの美だ。人を模してはいるが彫像としての芸術だ。
これから作る肉の塊は美女ではない。人の美を極限まで外見だけ再現したナメクジとタンパク質の再構成にすぎない。
3Dプリンタの出力ボタンを押し、美女の身体を制作していく。
骨格、神経、血管、内臓の香り。体液のにおいまでする。
やがてそれは皮膚をまとい、髪の毛を、まつげを。眉毛を備え、人の姿になった。
俺は思う。
この物体は目覚めるのだろうか。
目覚めたならば。
意識を持ち、心を持ったならば。
笑い、怒り、悲しみ。
そしてこういうだろう。
『お前なんか嫌いだ』
人間ならそう思って当然だ。
おめでとう。僕の君。
君は僕を嫌うために生まれてきた。
そうさ。僕には彼女はできない。
だが、誰かを愛する娘は作れた。
それで充分だ。
さて、次は僕の身体を使ってナメクジを作るプログラムでも組もうか。
技術の発展は輪廻転生すら可能にする。神の業を模した僕にはふさわしい末路だろう。
可愛い娘さんよ。
さようなら。君は僕を憎むために生まれた。
ぼくは君に憎まれ、君に絶望を与え、君を支える人のために生まれたのだろう。
醜いナメクジとなって君の足元を這う僕に清め塩の一瞥でもくれてやってくれ。
ははは。




