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地球の千葉の海側で

二話投稿できるなんて・・・まだ行けるかも・・・汗

西暦2000年と言う年は、コンピュータシステムに異常をきたす年と騒がれていたが、いざ過ぎてみれば、まるで肩透かしの様に何も起きなかった。


それだけ、Microsof◯のOSであるWindow◯が優秀だったと言う事なのだろうか。

しかし少年、赤井紅葉は一人ぼやく。


「IEはすぐフリーズすんじゃん!」


その声は、すぐに押し寄せる波の音に飲み込まれてゆく。


「もみちゃん、火狐(ファイヤー◯ォックス)かOper◯に変えたら?」


前髪を目のすぐ上まで伸ばし、ちくちくと目を刺激する髪をかきあげ、きりりと視線を向けると、向けられた女性の何人かは頬を染め恥ずかしそうに俯くだろう。

赤井紅葉は、美男と言っても過言ではないほど整った顔をしている。

目鼻立ちはクッキリと、薄い唇から輝く白い歯を覗かせ、ほっそりとした顔立ちに着痩せしたその体には、高校生にしてはキッチリと鍛えた身体つきをしていた。


その紅葉に声を掛けた桃井桜は、小さい頃から赤井と仲の良い関係である、幼馴染というやつだった。

桜は、綺麗に目上で切りそろえた濡れ羽色の黒髪を腰上まで伸ばし、丸みを帯びたおっとりとした目、小さく整った鼻に、ぷっくりとした厚めの小さな唇、その丸みを帯びた小さな顔は、綺麗と言う言葉より可愛いと言う言葉が相応しい、だが、出るとこは出て、くびれるところはほっそりとした身体つきは男の目を集中させ、女の嫉妬を勝ち取るだろう。

その二人は、馴染み過ぎてそれ以上の関係に今一歩進めないのが最近の悩みだった。


「桜、お前は純正の素晴らしさが解ってない!」


人差し指を上に向け、腕を桜の目の前に出しながら主張する。


小さい頃からの紅葉の癖である。


決して他人に指先を向けない。


小さい頃、祖父に向かって指を差したら、あり得ない程激怒され、意識を失う程殴り飛ばされ、気付いたら病院のベットで二日昏睡状態だった。


それがトラウマで他人を決して指差ししない事と、いつでも防衛本能が働くようにと格闘技を習っているのも彼が心がけている事だった。


「素晴らしさって言われてもぉ~」


「おまっ! Meがどんなにダメだったか、そしてXPがどんなに素晴らしいかが実感出来てないだろ!」


「実感って言われてもぉ~うちぃ2000だし?」


「くそぉ~株式会社が憎い! いつかお前の家の会社の株を買い占めてやる!」


「買い占めなくても、私と・・・・・・」


頬を真っ赤に染めながら桜はもじもじと下を向きながら体を揺らしていた。


「なに?」


「何でもないよぉ! ばかぁ!」


「何怒ってんだよ!」


突然怒り出す桜に戸惑いながら海を眺める。


二人は暇な時間が出来ると、だいたい海へと向かう。


そして、小高い丘にひっそりと流木で作られたベンチに座り海を眺めるのがいつもの行事だった。


二人が住む匝瑳市は九十九里浜に面しており、丁度銚子市と東金の中間に位置する場所に存在する。


そして、匝瑳市の中でも海側に住んでいる二人は、海から歩いて3分くらいの所に自宅が有る。


休みに出かけると言っても海くらいしか落ち着く場所が無いので、休みの日の日課となりつつあった。


赤井家は、居酒屋を経営しており、普段から家が賑やかなので、何処か落ち着く場所を探して海へと足を向ける。


桃井家は、不動産業を行っており、田舎にもかかわらず結構な人が出入りする。


まぁ~八割は近所の人だが、そして、彼女も賑やかな家の中から落ち着いた場所を求め海へと足を向けるのだった。


「ここが一番落ち着くな!」


水平線と白い雲の境界を見つめながら紅葉がごちると、桜が何時の間にか隣へ座りながら同意する。


それが何時もの二人の休日の過ごし方だった。


だが、この日は少し、いつもと違う事が起ころうとして居た。


水平線の上空に浮かぶカゴメの数が何時もより少い事なんて気付くはずもなく。


いつの世界も人間は鈍感な生き物なのだろう。


この日人類は、ファーストコンタクトを千葉の田舎でひっそりと行われる事となるのであった。


未知との遭遇、それは映画のタイトルである。


フィクションであり、ノンフィクションの領域で映画のストーリーをたどるならば、誰しもが遠慮したいと言う事だろう。


だが、千葉の田舎在住の赤井紅葉と桃井桜には、映画のタイトルを知ること無く育ち、高校生である二


人には、週二回あるTV番組のシアターショウですら中々お目にかかるタイトルでは無かった。


遭遇とは、突然であり必然なので有る。


必然の偶然何てものは無く、必然だからこその遭遇だ。


あらかじめ、突然側は、自分たちの都合で行動しており、遭遇する側からの都合などは無視が当たり前なのである。


遭遇に関して言えば、誠実にアポをとってくる方が胡散臭いと言う事になる。


これが、後にβ人が犯した最大のミスでありα側からすれば最初に接触した優位性を十分に活かす結果へとつながった。


まだ主人公でませんが、ヒーローは出てきました。

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