夜歩き【200文字】
黒い空
行き交う白い筋
点滅する橙
軽くなった気体
色の変わる棒
過ぎてゆく赤
照らされたタール
そんな闇の中を静かに歩く
闇が包み込んでくれると思いながら
暗くなったガラス
吹き抜ける神の息
黒に輝く仄かな黄色
山から聞こえる排気ガス
誘う光る箱
急ぐ点滅車
そんな闇の中を静かに歩く
闇に塗り潰されたいと思いながら
黒に染まった空は
街の光を浴びて仄かに青く浮かび上がる
点在する光を遮るように
そんな静寂を孤独に進む
心を闇に溶かして…