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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
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"carbonara"

掲載日:2026/08/18

換気扇の下で、フライパンの中のベーコンに火が通るのを視続けて居る



暑い気がして、照明を付けていない


ぱちぱちと脂が跳ね、エプロンを汚す


エプロンは汚れて居た


此れから調理に使うであろう

紅く熱い躰液にも、塗れ、汚れて居た



オリーブオイル、

胡椒、

唐辛子、

白身を切った、鶏卵……


最後に隠し味

傷口からの、愛情を少々………



手首を擦り捻ったキッチンナイフを、大さじ3杯の躰液が伝っていく


眷属化が進行してからは、血液を幾ら流しても気絶しない躰質になった



或いは、出血する事に悦楽が有る気さえする

少なくとも精神的には、そうした歓びが確実に存在して居た


確実に断言出来る

僕は君に、総てを食べて欲しかった



ベーコンと共に炒め始めた、大蒜(にんにく)が香り始める


規定量の半分は最初に

残りは別の刻み方で、最後に投入して加熱する


聞きかじったやり方だったが、案外に風味や食味に影響する


茹で上がったパスタを投入する

完成は、もう直ぐの様に思えた




焦げ付かない様に、時折パスタを混ぜる


いつの間にか君が居て

『今日は、肉も食べたいな』と、愉しげに云った



僕の瞳孔が開いて、口の端が上がっていくのが解る



「───食べたいの?」


声が震えて居る

手も、少し震えて居た


嬉しさからのものだった




薄く切れば、火が早く通る

今から刻んでも、間に合うかも知れない


僕は、手首に巻こうとして居た包帯を床に放ると、息を荒くしながら

キッチンナイフを、もう一度手首に近付けた

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