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線術師の異世界航海記  作者: ニョコロンボ
6/8

Epi5:辺境伯の館にて

おさらい

千紘の能力について知っておこう

まあ簡単に言うとチョー強い3色線を無限に思いのままに操れる能力だ

マゼンタ:当たり判定は存在せず、重さも存在せず物理法則を無視する。そのためこの線を外部から切断する手段は完全に存在しない。この線の周りを遠隔から視認できる他、視認地点が線の始点から何マイルか分かる上、遠隔から周囲の物の詳しい性質などを知ることができる。

シアン:極めて軽く、当たり判定は存在するが物理法則を任意で無視でき空中に固定できる他、線を切断することは不可能で与えた衝撃はすべて跳ね返すか完全に吸収する。(剣で切りつけたらその剣が切り落とされる)任意で鋭さをもたせることができ、鋭さをもたせた場合振れた人間はスパッとやられて死ぬ。

あなたのプロンプト

イエロー:熱、磁力、電力を無抵抗で伝える。当たり判定は存在せず、重さも存在せず物理法則を無視する。そのためこの線を外部から切断する手段は完全に存在しない。

バリンダの港での「プレゼンテーション」を終えた千紘は、ライゼンの案内で辺境伯の館へと向かっていた。外の湿った寒さとは打って変わり、館の中は微かにだが暖炉の熱が届き、乾燥した空気が心地よい。


ライゼン「ふう、やれやれ。僕も寒さには強い方だけど、あの港の空気は骨身に染みるからね。さあ、中へどうぞ。君には最高の部屋を用意させてある」


館の廊下は、王都のそれほど華美ではないが、質実剛健な造りだった。千紘はマゼンタの線で室温、空気の流れ、建物の構造をスキャンしながら歩く。


千紘「(……古い建物だが、熱効率は悪くない。この地域の建材特性か。暖房システムを最適化すれば、さらにランニングコストを下げられるな)」


「あっ……!」


千紘が角を曲がった、その瞬間だった。

ガシャン、という音と共に、目の前で小さなメイド服の少女が転倒した。少女の手から離れた掃除用のバケツが、放物線を描いて千紘の顔めがけて飛んでくる。中には、汚れた水がたっぷりと入っていた。


その一瞬、千紘の思考は加速した。


千紘「(水没によるマントの機能低下、スーツの汚損、そして何より『不快感』の発生……。これらはすべて、僕のオペレーションにとっての機会損失だ)」


千紘の瞳が、青く輝く。


千紘「シアン、固定フィックス。」


空間に、音もなくシアンの線が走った。

それは、少女が落としたバケツの軌道を正確に捉え、物理的な力を発生させることなく、その運動エネルギーをゼロに収束させた。飛んでいたバケツは、まるで時間が止まったかのように空中で静止し、中の水一滴すらこぼれない。


同時に、千紘は転倒する少女の身体の真下にも、無数のシアンの線を編み込んだ。

少女の身体が床に叩きつけられる寸前、シアンの線がフワリと彼女の体を浮かせ、まるで絨毯のように優しく受け止める。


そして千紘は、空中で静止したバケツを横目に、流れるような動作で少女をお姫様抱っこした。


千紘「……大丈夫ですか。怪我はありませんか」


お姫様抱っこされた少女は、ポカンと千紘の顔を見上げている。まだ何が起きたのか理解できていないようだった。彼女の手には、使い古されたボロ布が握られている。


ライゼンは、一部始終を廊下の向こうから見ており、感心したように口笛を吹いた。


ライゼン「ハハッ、とんだハプニングだったね。ニナ、平気だよ。見事なものだ、千紘。そんな使い方までできるとは。君の『線』は、この世界にどんな『曲線』を描き出すんだい?」


千紘はニナと呼ばれる少女をゆっくりと床に降ろし、何事もなかったかのようにバケツを定位置に戻した。少女はまだ呆然としているが、恐る恐る口を開く。


ニナ「あ、あの……ごめんなさい……!」


千紘「いえ、問題ありません。接触事故による損害は実質ゼロです。それよりも……」


千紘の瞳が、ニナの小さな手にあるボロ布に注目した。マゼンタの線が、そのボロ布から微弱な情報を読み取る。


千紘「(……このボロ布、繊維の編み方が妙に複雑だ。既製品ではないな。手編みか? しかも、この少女、転倒の瞬間すら重心を逃がそうとしていた。無駄な動きが少ない)」


千紘は、何かに気づいたように静かに笑みを浮かべた。彼の脳内では、すでに「メイドの少女」という新たな人的資源の**「事業計画書」**が作成され始めていた。が。


ライゼン「えっ?伝令兵?はあ、また襲撃かい。アイツラも懲りないねー。千紘、君に一つ最悪なお知らせがある。南西の連中が国境部を超えてきた。

ライゼンの見た目はイケメン貴公子だけどじつは結構鍛えてる

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