プロローグ ~前世での・・・~
2月初めに投稿した作品を一旦下げ、少し練り直した物の再掲載です。
宜しくお願い致します。
少し時は遡る。
今日も仕事を終え、いつもの様に愛車を駆り家路へと急ぐ。
ヴォンンン・・ヴオォォ・・・
4気筒ターボエンジンにリヤディスクブレーキと、軽自動車にしては奢られた造りの車だ。
もちろんマニュアル車である。
(よし、今日も調子が良いな~)
「はぁ~、今日は疲れたな。 ちっとばかし面倒な作業もあったもんな~」
1日の整備作業を終えて、今日の仕事内容を思い出しながら運転する。
ヴオォォォン・・・
ふと、対向から来る車に違和感を覚える。
ゴオォォォォン・・・
どうやら大型ダンプの様だ。
が・・・
「んっ!? やばっ!こっちにはみ出してきてるっ?!」
ゴオォォガガガ・・・
「あっ!ダメっ!!間に合わないっ!!!」
キキキッッッ・・
ズガバンッ バキキッ メキグシャッッ・・・
そのままはみ出して向かってきた大型ダンプを避け切る事が出来ず、愛車が大破してゆく・・・
軽自動者対大型ダンプ、どうやっても勝ち目はなく。
ピーポーピーポーピーポー・・・・・
瀕死の状態で救急車に乗せられ、病院へと担ぎ込まれる。
ガラガラガラ・・・タタタタタ・・・
「バイタル不安定ですっ」
「緊急オペだ。ストレッチャーをこっちへっ」
あぁ・・ここらで人生終わちゃうのかなぁ・・・
短かったけど、思えば色々あったな・・
小さな頃から機械が好きで、色んな物壊しては組み立てて。
小学生の頃に親父にちっこいバイク買って貰えてさ・・嬉しかったな。
そのバイクは今ではオブジェになってるけど(笑)
父と兄がバイク好きで。小さい頃は色々教えて貰って。
中学生の頃から高校上がったくらいでは自転車にハマったし。
高校入ってからは先輩にも恵まれたなぁ・・
工業高校に入って、そこに自動車部があって。そこで今も良くして貰っている先輩に出会ってさ。
原付免許取ってバイク買ったら、実は先輩とおんなじエンジン積んでたバイクで。
それからバイクや車の事沢山教えて貰ったし、卒業してからもつるんで遊んで貰えて。
車好きになり過ぎたおかげで、卒業後は自動車整備士なんかになっちゃったけどさ・・・
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「ちわーすっ ここ、自動車部の部室であってますかぁ?」
「おうっ どうしたんだい?」
「あ、こんちわっす。自動車部に入部したくて来たんですけど・・」
「そっか。君、車が好きなのかい?」
「はいっ!3度の飯より?」
「ははは、そうか。歓迎するよ。よろしくな。」
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「先輩~、聞いて下さいよぉ~。原付の免許取ったんでバイク買ったんですよ。中古だけど。」
「どんなの買ったんだ?」
「オフ車が好きなんで、スズキのハスラーっす~」
「ん?それって俺の乗ってるガンマと同じエンジンじゃね?」
「えっ?ホントですか?」
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「先輩・・ やっちゃいました・・・」
「どうしたよ?」
「こないだの休み、バイクで河原に行って遊んでたんですょ・・んで、調子こいて川の中に突っ込んでったらコケちゃって・・ エンジン水飲んで死んじゃったんですょ・・・」
「じゃあ、ここに持ってきてバラせばイイじゃん」
「え? いいんですか?」
「先生~っ、コイツのバイク、ここ持ってきてバラしてもいいっすよね?」
「しかたないな。あくまでも部活の教材として、だぞ?」
「えっ!ホントですか?! すみません、先生! 有難う御座いますっ!」
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「なんだ。自転車部に意趣替えか?(笑)」
「違いますよ・・通学で使ってるマウンテンバイクの整備ですぅ~」
「ははは。おまえ、弄るのホント好きだよな」
「チェーンの掃除とフロントとリヤのディレイラーを少し調整したくて。 微妙なんですよ、ディレイラーの調整。 ホントはもっといいコンポに変えたいところなんですけどね~ ま、金、無いんで。高すぎますよ、イイのは」
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「先輩、卒業おめでとう御座いますっ」
「おうっ 俺も今日でココともおさらばだな。 おまえ、後輩たちを頼むぞ?」
「ははは、私、適当だからな~ 大丈夫ですかね?」
「ま、お気楽にな。頑張れよ?」
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「先輩、卒業できました~。 来春っから整備学校に行くことになりました~」
「おう、おめでとう。したらよ?もう俺の事さん付けでイイだろ?」
「いやいや、まだまだ先輩は先輩ですよ。」
「はぁ~、しかたねぇな」
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「先輩、中免取ったんですよ~。で、DT200WR乗ろうかって思ってます」
「おまえ、ホント、オフ車好きだよな。しっかも2ストの」
「イイじゃないですか。2ストなら速いし。2ストのあの何とも言えない排気の煙のニオイが好きなんすから」
「おまえ、2ストフェチだな(笑)」
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「ちわっ~す。あれ??どうしたんです?これ。確かあの方のですよね。」
「おう、あのひと、車乗り換えるっていうから、俺が買い取ったんだ。70スープラから80に乗り換えるんだってさ」
「へぇ~80ですか。もしかしてあの方の事だから80でもRZだったりするとか?」
「ご名答w 当然だろ?あのひと、一番スゲーのじゃなきゃダメなんだから(笑)」
「ははは~。私はミラで十分~。小さいのを限界まで引っ張りまわすのが好きだし~」
「だよな。おまえ、ブン回して乗るの好きだもんな~」
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「へっへっへ~、どうだ、俺、大型二輪免許取ったんだぜ。で、どうよ?俺のバイク」
「あれっ?バンディットどうしたんです?売ってこれに変えたんですか?」
「おうよ。で、どうだ。VTR1000F、逆車だぜ?」
「すごいですね~ こんなデカいの乗れないわwww したら私も乗り換えようかな。ランツァ出たし。」
「なんだ、おまえも大型取って乗り換えちまえばいいんじゃね?」
「テネレとかトランザルプですか??デカ過ぎますよ。 イイんですぅ~。2スト命なんで(笑) 先輩は背が高いしイイですよね。デカいの乗ってもサマになるし」
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これ、走馬灯ってやつだよね・・・
ははは・・どうやらここまでなのかぁ・・・
みんな・・・ごめんね・・・・・
ピッ ピッ ピッ ピピッ ピッ ピーーー・・・・
ピンポンピンポンピンポン プープープー ピンポンピンポン・・・・・
あ・・・バイタルサインモニターが煩く鳴ってる・・・。
「先生っ!・・」
「・・・すみませんが、もう・・・」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
「ミリアーナ!おい、大丈夫か!ミリアーナ!」
「うぅ・・お兄、さま・・?」
「大丈夫か?怪我は!?黙って一人で馬なんかに乗って・・・・・
・・・・・・・
・・・うん・ん・・・
ん・・・?
なんだろう?なんか変だ・・・?
なんだかモヤモヤと妙な光景が・・・?
??あれ??・・・・・
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・・・・・・・・・・
うぅ・・・車が・・・・・
壊れていくの書くの、い~や~だ~~~(泣)
まあ、転生ですから。定番なのですけどね?(笑)
この作品が初めての小説の執筆になります。
拙い文章、また、ゆっくりな更新になると思いますが、長く連載していきたいと思っています。
どうぞ、生温く長い目で。皆様宜しくお願い致します。