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第四話

とんでもない美少女の登場にクラス内は一瞬の静寂のあとワッと騒ぎ出した。


「ほれー、静かにしろー、転校生困らせるなー。自己紹介やらやってくれ」

「はい。名前は冬音 桜。料理と読者、お散歩が趣味です。好物はみかん味のキャンディとお味噌汁です。こんな髪ですが、ちゃんと日本人です」


どうやら見た目だけ日本人離れしてるだけで、中身は本当にただの女の子のようだ。会話が英語とかだったらコミュニケーションに困る。いや、窓際で交友関係も狭い俺があんな美少女とお近づきになる機会はそうそう無いだろうけども。クラスメートだし。


「席はとりあえず関口の隣にしとこう。あの一番後ろの席を使ってくれー」

「はい、わかりました」


関口。綾人の隣に転校生は来るそうだ。隣の隣。うーん、休み時間は騒がしくなりそうだな・・・・。



で、案の定。

「どこから来たの?やっぱり本土?」

「髪きれいだね。特別なケアしてるの?」

「彼氏とかいる?」

「むしろ俺が彼氏に立候補したい」



「転校生は大変だな」

と綾人。隣の席の予想をして早々に避難してきた。

「あれだけの外見なら暫くは凄いだろ」

「まぁ本人は当たり障りない受け答えをしてるし、大丈夫なのだろう」

見ている限りずっと笑顔で質問に応えているし、本人のコミュニケーション能力は相当高いようだ。

「むしろ、隣の席のお前がこっちに来ていいのか?」

「なぁに、いつでも話しかけようと思えばできる距離だからな」





こうして授業を消化し、放課後。今日はバイトがあるので綾人に一声掛けて1人バイト先へ向かった。


が、ふと足が止まった。

この島は一年中温暖な気候の為か桜の花が長く咲いている。

そよ風でふわりと舞い散る桜の花びらの下に今日来た転校生、冬音 桜が佇んでいた。


そのあまりに幻想的な情景は絵画のようで、正直見惚れてしまった。


「・・・・・あ、確か同じクラスの」

「麻木 純。今日はお疲れさま」

「そんな訳では・・・・皆さんよくしてくださるようですし」

「そうか・・・・じゃあ、これあげる」

ポケットに手を入れて、差し出した手にはみかん味のキャンディ。

「たしか好きだったよな?溶けてもないし、あげる

。じゃあバイトがあるから」

「え、あの・・・・・」


当たり前だが都合良くみかん味のキャンディなんて持ってるわけ無い。これは純が使える中途半端な魔法なのだ。

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