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第三十七話
やはり冬音も魔法が使えるらしい。
「どんな魔法か聞いてもいいか?」
「・・・・・うん、私の魔法は他人の感情がわかること。近くの人が怒ったり、その、嫌な感情を抱いたりするとそれがわかるの」
「それは・・・・」
どれだけ辛い魔法だろうか。
人はいい感情だけを抱くわけじゃない。いわゆる負の感情。怒り、憎しみ、妬み。冬音の場合は自分に向けられる欲望も感じ取っていたことだろう。
そして、俺のように使い所を選べるのではなく、常に使われ続けている。
それはどれだけ辛いことか。
「その、悪いな。嫌なこと話させて」
「ううん、私も麻木くんのことは知っちゃったし、知っておいて欲しかったから。今の麻木くんからも困惑とかの感情は感じられるの。でも決して迷惑とは思ってないね。それだけでも、私にとってはありがとうだよ」
そう言うと冬音は教室に戻っていった。
俺もすっかりぬるくなってしまったほうじ茶を手に教室へ戻った。




