第三十四話
悶々と考えつつ眠りについたのであまりよく眠れなかった。それでもいつもどおりの時間に起きてしまうのだから習慣とは恐ろしいものだ。
あくびをしながら朝食と弁当を作り、身支度を済ませる。さっと朝食を食べるといつも通り仏壇へ手を合わせてから学校へ行く。
「じーちゃん、いってきます」
遅刻するような時間でもないのでゆったりと歩く。
「麻木〜!おはよ!」
「山咲、元気だな、朝から」
あくびを噛み殺していると山咲もつられてあくびを一度した。
「しっかり寝たもん。そういうアンタは随分眠そうね」
「ん〜、ちょっと考え事してたら眠れなくてな。でも習慣で起きちまったんだよ」
「どーせえ、・・・・ぇっちな動画でも見てたんでしょ」
「顔が赤ぇよ。照れるなら言うな」
「う、うるさいわよ!」
「はいはい、ちまいんだから大人しくしとけ。飴ちゃんやるから」
ポケットに手を入れてオレンジ味の飴を作る。
こうやって魔法を使うからばれるのか?
「ちまいって言うな!155センチはある!」
「十分ちまいわ」
山咲は話してると和むんだよな。
打てば響く感じで。
『好きです。10年前から。付き合ってください』
そう言ったあの金髪の少女は、今日何かリアクションを起こすのだろうか?




