第三十話
スーパーについて、カゴをカートに乗せて並んで歩く。カートを押すのは純だ。冬音は自分でやると言ったが、男が何も持たずにいるのも周囲の目が痛いから、という理由で押し切った。
「何を買うんだ?」
「食材が少しとジュースとかかな。あと紅茶の茶葉が減ってたから良いのがあったら見たいかも」
「紅茶なら休みの日にフロートのショッピングモール行ったほうが種類あると思うぞ。お茶の専門店も入ってたはずだし」
「う〜ん・・・・・一度は行きたいけど、一人だとちょっとね。そのうち、って感じかな。スーパーのでも美味しいし」
そうしてカートを押しつつ冬音について行く。人参、玉ねぎ、じゃがいも、ほうれん草などをカゴに入れていく。少量ずつではあるが、種類が多いため重そうだ。帰りも荷物持ちを手伝おうと決意する。
紅茶は少し悩んでいたが、有名メーカーの缶入りの物を買っていた。それでいいのか、と聞くと「悩むときは基本に立ち返ってダージリンにするって決めてるのですよ」といい笑顔で返された。
その後冬音が会計と袋詰をして、純が荷物を持ち家に送っていった。荷物はそこそこの重さだったので、冬音一人だったらかなり苦労したことだろう。
島の中でも高級マンションに分類される所につくと、「ここだから大丈夫だよ。ありがとう」と言われた。
「冬音はここに住んでたのか。結構すごいんだな」
「中は普通だよ?私一人暮らしだから親がセキュリティがちゃんとした所にしなさいって言ってて」
冬音は一人暮らしらしい。自分もそうだが、色々大変そうだ。
「今日はありがとう。お店にお邪魔して、買い物に付き合ってくれて、送ってくれて。それでね、最後にちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「ん、なんだ?」
「その、変なこと聞くけど笑わないでね?」
「笑わないって」
それでも冬音は戸惑うような表情を見せた。そんなに聞きにくいことなのだろうか?
「その・・・・・もしかして、魔法が使える?」
それは俺にとって大きな秘密だった。




