1/1
越えられないものに鉄槌を。
とても大きな集落の名主の娘であった私。
でも父上も母上も…ただ唯一信じていた姉上も、みんな私に向かって拳を挙げ、脚で蹴り上げ、襤褸のように扱う…私の足には大男の拳大の大きさの痣が、上腕には内出血が、だんだんと増えていった。
そんな生活から逃げ出したくて、変わりたくて。
私は集落から、痛む足を、腕を引きずって逃げ出した。
逃げ出したと思えば大豪雨が。視界の悪い雑木林の中、泥にまみれた。そして私は、大粒の雨に打たれながら、雑木林の中で意識を飛ばしてしまった。
目が覚めるとそこには、集落で噂されていた大妖怪が…!?