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盗賊の奪盗譚(ロブティール)  作者: 桐内桐葉
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五話~賜職~

キャラや町の設定を考えていたため遅くなりました。

窓からの光を遮ったはずのカーテンだが、流石に全て遮光しきれず、横から漏れ出た光によって俺は目覚めた。昨日のは夢だったのかと思いカーテンを開いたが窓から見える景色の奥には壁が見えた。時計は9時を指していて俺はまだ少し眠いが昼に備えて起きることにした。服を着替えて階段を降りると父さんと母さんがリビングにいた。少し遅めの朝食を取っていると、チャイムの音が鳴った。母さんが玄関に向かいドアの開けた音が鳴ると外から聞き慣れた声が聞こええた。

「おはようございます柊夜の母さん、柊夜はいますか。」

「柊夜~、京介君きたよ~。」

母さんに呼ばれて俺も玄関に行った。

「おっす、柊夜。一緒に行かね?」

母さんに顔を向けると母さんは頷いた。

「いいよ、京介少し待ってくれ。」

俺は身支度を整えて京介と一緒に向かうことにした。

「それじゃ母さん行ってくるよ、また後で。」

俺たちは家から出るとこれまた聞き慣れた声が聞こえた。

「はぁ、はぁ…、私も一緒に行くわ…。」

家から走ってきたであろう柑那がいた。知り合いが多い方が俺としても安心できるし、何より友達だから断る理由もない。三人で歩いていき、壁の門に着くと門兵の一人が近づいてきた。

「君たち、賜職の儀は王宮の隣にある神殿で行うからそこに行くように。白くて王宮と同じくらい大きいからすぐ分かるはずだ。それじゃあの馬車に乗ってくれ。」

門兵が昨日乗ったでかい馬車ではなく、六人くらいが入れる幌車があり、ザ・普通の馬車といった感じだ。馬車に乗ってしばらく馬車に揺られながら後ろに流れる景色を見ていると気づいた事があった。馬車が通る道の周りにはきちんと建築して真新しい感じの家や年期の入った家が建ち並んでいるが、馬車が進んでいる方向の右側の奥には壊れた建築物や大きい布で出来ているテントのような物が所狭しに並んでいた。

「すみません、奥の地域は何があるんですか?」

俺は御者の兵士に聞くと大方想像通りの答えが返ってきた。

「あそこはスラムだよ。身寄りのない子供や犯罪者がゴロゴロいる。君たちには縁が無いかもしれないが近づかないようにな。」

兵士は面倒くさそうな物を見るような顔と口調で教えてくれた。俺はとりあえず御者に礼を言って馬車の中に戻った。

「そういえば二人は家族全員いたのか?俺は両親二人ともいたけど。」

幌車に戻った俺は二人に聞いた。

「俺も全員いたぜ。皆既にいて俺だけいなくて心配してた所に帰ってきたから皆泣いてたよ。」

「私はお母さんがいなかったわ。」

柑那はあっけらかんととした口調で喋った。

「お母さんがいないって寂しくないのか?」

「最近各地を転々としている人だからね。少し寂しいけど平気よ。」

京介が柑奈を心配して言ったが、見た感じ心配なさそうだ。

「けど父さんが最近……」ヒヒーン!

「君たち王宮へ着いたよ。済まないけどここからは歩いて行ってくれ。」

「柑那、何か言ったか?」

「ううん!何でもないわ。」

柑那は少し慌てた様子だったが勘違いのようだ。

馬車から降りて左右を見渡すと王宮の左に白色の建物があった。たぶんあれが神殿だろう。そちらへ歩いていき神殿に着くとその大きさに圧倒された。王宮は金や青で装飾されたのに対して神殿の方は白一色。せいぜい入口の扉にダークブラウンが使われているくらいだ。中に入ると俺たちより早く来た人たちがズラリと並んでいた。俺たちと同じくらいの年齢の人の殆どがワクワクしているのか笑顔で周りと話している。大半の大人もワクワクしているのか見知った顔同士で談笑している。昨日の暗い雰囲気が嘘のように明るい。京介、柑那、俺の順で並んで待ち、流れるように進んでいくと、遂に俺たちの出番が来た。

「おお、女神ディアトラよ。この者らに新たなる力を、道を与え給え。」

神殿長っぽい人がその言葉を喋ると俺たちにキラキラした何かが上から降ってきた。降り終わって神殿長は俺たちと神殿長の間の空間を見ていると次の瞬間、目が開いた。

「すぐに国王陛下を呼ぶのだ!すぐにだ!」

見た目から想像できない大きな声で神殿長が同じ衣装の人に命令すると今度は京介と柑那の前に跪いて頭を下げた。

「どれほどこの時を待ちわびたことでしょう。ディアトラ様。このラザイアス、より一層貴方様に忠義を尽くします!」

神殿長のラザイアスはバッと顔を上にあげて今度は空に向かって両手を組んで祈り始めた。この爺さんヤバいな。ラザイアスの奇行に気づいたのか、周りの人たちが何事かと集まり始めた。

「ラザイアス、何事だ!?まさか…」

「そのまさかです、陛下。この二人が勇者と勇者を守る賢者ですぞ。」

「どちらが勇者なのだ?」

リカルド王が俺と京介を交互に見ながらラザイアスに尋ねた。

「こちらの茶髪の青年でございます。黒髪の青年の方は……っ!?」

ラザイアスは再び目を見開いた。

「陛下、()はあの職業(クラス)です!」

「真か!?今日は本当に運が良い。衛兵!」リカルド王が俺に指を差し、

「この者を捕らえよ!人界だけでなく天界をも我が物にしようとした彼の者の力を継ぐ職業(クラス)()()である!」

リカルド王が言い終わると神官衣装の者が何やら喋り始めた。喋り終えると、急に睡魔が襲ってきた。

「まさか彼の者の力が別世界までいっていたとは。衛兵よ、こやつを地下牢にぶち込め。来たる日まで逃がしてはならぬぞ。」

リカルド王の言葉を最後に俺の意識は途切れた。

ここで終わらせたいと思ったので長くなりました。次回から盗賊として始まります

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