アイノカタチ
初投稿です。よろしくお願いします。
「どうしてお前はこんなひどいことができるんだよ!」
辺りにはクラスメイトの血や臓器が飛び散っている。
激怒して今までの怒りをぶつける。
信じていたのに……最後まで大好きな先生でいてほしかったのに。
「フフフ……フッ……ハッハッハッハッハッハッ……」
先生の甲高い不気味な笑いは止まらない。
俺が最後の一人になってしまった。最初はクラスメイトと先生で38人いたのに。もう一人だ。いや、一応先生が残ってはいるか……
事の始まりは突然だった。
何の変哲もない日常だった。
「気を付け、礼!」
「さようなら」
帰りのホームルームが終わりかえる時だった。
いつも一番に部屋を飛び出していく俺は空いた教室のドアにぶち当たった。
「いってー、なんだよこれ」
そこには空気しかないはずなのに、確かに質量を、形を持った何かがあった。
教室から出れなくなった
皆で試してみたがどこからも出ることが出来なくなった。スマホを取り出そうとしたその時だった。
ピンポンパンポーン、校内放送がついた。
「こんにちは、如月高等学園2年2組の皆さん。これからあなた達には殺しあってもらいます。生き残りが一人となったところでゲームクリアです。ですが気を付けて下さい、魔物がいますので」
そう言い残すとプツリと切れてしまった。
それからは悲鳴や怒号の嵐だった。クラスのものたちは皆散り散りになってしまった。
それから数時間後。先生が生徒を皆殺しにし始めた。美しく整えられた髪はボサボサになり、いつもの美しい顔は狂気に満ちた表情へ。
これは友達に聞いた話だ。そこで横たわって臓器をぶちまけている友人に。
俺の腕と足はすでにけがをしており、もう逃げることもできない。
「あなたで最後よ、優。さようなら」
先ほどまでのマッドネスな表情の中に少しだけ寂しそうな色が見えた。
「終わったね美貴。AIの中に一人人間を混ぜてみるのは正解だったね」
二十代に見える男性が、作業を中断して狭いモニタリングルームで会話を始めた。
「流石は私の妹ね。いい働きをしてくれたわ。AIの動き方が今までと違ったわ。」
「それにしてもよかったのか実の妹を使ってしまって。一度仮想世界の中に入ると二度と戻ってこれない」
「いいのよ私たちは人工知能至上主義なのだから。妹も喜んでたし、これからもまだまだはたらいてもらうわ。脳が焼き切れるまで」
「ヒー、怖い怖い」
「何を言ってるの。あなただって実の弟を入れたくせに。最後の彼でしょ?」
「それもそうだね。でも僕たちの子供の為ならなんででも捨ててやるさ」
「私たちの子供、最高の人工知能、アイ。そのためならなんだって」
「確か、妹と優君は付き合っていたわよね?まぁ優君は忘れさせられてるけど。最愛の人に殺されるってなんかドラマチックね」
一息ついて、机のカッターを手に取って答える。
「そうだ、ね!」
美貴の首元にカッターをさした。引き抜くと勢いよく血が飛び出る。
「きれいだよ美貴。愛してる」
「私もよ晴。またいつか、次は完全な生命体として会いましょう」
男は机に向きなおり、作業を再開した。
読んで下さりありがとうございます。バッシングでもなんでもコメント受け付けます。今後は連続小説書いていこうと思うので、ぜひコメントよろしくお願いします。