セイドの秘密
「いらっしゃいませ・・・ってセイドさん!?」
驚いたメリィは手に持っていたおぼんを床に
落としてしまった。
「こんにちは。メリィさん♪あと1週間後程でここを
辞めてしまうと聞いたので、訪ねてみたんですよ。」
心の中で恐怖と不安を少し覚えた。
(どうして知ってるんだろう・・・?話した
覚え無いのに・・・。)
「あ、ユリアさんも居たのですね。こんにちは♪」
セイドはメリィが考え込んでる間に店内に居た
ユリアを発見し挨拶した。しかし、ユリアは・・・
「・・・おぅ・・・こんにちは・・・」
「・・・?どうしたのですか?お顔がとっっても
怖いですよ♪」
ニヤニヤしているセイドをよそに、ユリアはセイドに
ゆっくり近づいていく・・・
「・・・あんた・・・よくもうちを騙してくれたなぁ・・・
全く魔法とは無縁やし・・・覚悟しいや・・・?」
「・・・くすくす・・・あーあ・・・もうばれちゃったか。
そんなの騙される方が悪いんだよ(笑)あと、ちょっとした
遊び(ゲーム)だったんだけどなぁ。」
「・・・問答無用・・・」
ユリアはセイドをこれでもか!と言うぐらい
殴ってボコボコにした。
メリィは内心ホッとした。
(ユリアと友達で良かった・・・)
殴られて麻痺したセイドにサリナは言った。
「・・・セイド。人を騙すのもう辞めたらどうなの?
そうしたら、殴られることもなかったのよ?」
「分かってるけど、意外と楽しいんだぜ?」
セイドはサリナの助言を聴こうとはしなかった。
本人には本人の楽しみがあるようだった。
みんなは内心諦めムードになった。
(もうダメだ・・・この人。)
「あの〜セイドさん。ご注文は?」
「そうだなぁ・・・コーヒーとミルクチーズケーキに
しようかな。俺、ブラック嫌いだからコーヒーは
ミルクと砂糖つけてよね。」
「分かりました。すぐお持ちしますね♪」
そう言うと、メリィはキッチンの方へ消えていった。
「・・・店長・・・俺、配達行ってきます。」
「サリー!私、牧場行ってくるね♪」
「2人とも行ってらっしゃい~!・・・ふぅ。
あたしも仕事しなくっちゃ!!」
みんなはそれぞれの持ち場に戻っていった。
そして、約15分後・・・
「お待たせ致しました。こちらがコーヒーと
ミルクチーズケーキです。ミルクと砂糖も
お持ちしました。」
「ありがと♪」
そう言うと、セイドはコーヒーに砂糖とミルクをいれて
1口飲んだ。