接客の前に
「2人ともごめんね。まさか、サリナが放棄
するとは思わなくて…」
「いえ…。」
2人は、今の出来事が早すぎて何がなんだが
分からずぼーっとしていた。
空気がよく分からなかったのでレマ・イリアは話を切り出した。
「えっと、始めてもいい?」
「………。」
「…メリィさん達?」
「あっ…はい!ごめんなさい!」
心の中で少しため息をついた。
「ちょっと心配…。」
「2人とも着替えてもらおうかな?一番最初は
接客よりユニホームだから☆」
「はいっ!」
2人は、ユニホームをレマ・イリアから受け取り、一階の階段横の
従業員専用の更衣室へと走って行った。そして、約三十分後…
「…あの~…この服は?」
レマ・イリアはしどろもどろで答えた。
「ええっと…店長ベストセレクションなんだけど…。
やっぱり、サリナの感覚はちょっと変ね。でも、
2人とも似合ってるよ。」
「…そうですかね…。」
メリィとユリアの2人に渡されたユニホームは、黒色の
ショート丈ワンピースに白いフリフリのエプロン。袖がフワッとした半袖で、
なおかつ赤色の大きなリボンが付いた服だった。
「こんな服恥ずかしーわ。他の服ありまへんの?」
「無いわ。ごめんなさいね。」
「謝られたっ!」
少し離れた場所でグリズディは声に出すことなく、照れくさそうに心の中で1人照れていた。
「…メリィさん…めっちゃ似合ってる…可愛い…」
「ユニホームに着替え終わった所で、次は接客ね。
ええっと…2人いるから、私と彼で1人ずつ教えるね。
彼、愛想悪いけど怒って無いから。安心して♪」
「は、はい!」
くじ引きの結果メリィはグリズディに。ユリアはレマ・イリアに
教えてもらうこととなった。