偶然から始まるもの
しばらく船に揺られていると、街らしきものが見えたので
メリィはここで降りることにした。
「よいしょっ…ふうっ!…ここは何処かな?看板は…あ、
あったあった!ええっと…メルディパステル…通称メルパ…」
メリィはたどり着いたのは、メルディパステル(通称メルパ)という
商業の盛んな街だ。
「大きい街…!ここなら、私の街の帰り方分かるかも♪でも、
この格好じゃなぁ…」
着の身着のまま出てきたので、メリィは水着の上にコートを羽織っただけの
格好だった。うろうろして困っていると…
「もう、アンタみたいなゴミくずどっかいっちまいな!
今月の給料渡すから、とっとと出て行っとくれっ!」
「(びくっ)…え?何処から…?」
急な大きな声は酒場からだった。
???「そんな…うち、一生懸命働いたんと違うん?」
「ふんっ!そんな御託聞きたかないね!(バンッ)」
どうやら、揉めている様だ。1人の少女が出てきた。
???「なんや(怒)あの、オバハン!うちのこと一個も聞いてくれへん!
…ふう…また1から出直しやな…。」(ガサッ)
その様子を草むらから見ていたメリィは、もう少し近くで見ようと
動いたがつい物音を立ててしまい、見つかってしまった。
???「だ、誰や!姿、見せっ!」
少女に言われるまま、メリィは草むらから出てきた。
そして、少女はメリィに話しかけてきた。
???「…あんた、見てたんやろ?」
「ごめんなさい!見るつもりなかったんだけど…。」
しどろもどろでメリィが迷っていると、一人の少女はため息をついた。
???「まぁ…ええわ…これも、なんかの縁やし…。ところで、
あんたの名前は?」
一人の少女に急に名前を聞かれ、口をもごもごしながら答えた。
「…メリィです…。」
???「メリィか…ええ名前やな!」
「…ありがとう。えーっと…」
少女の名前をみようと、メリィはキョロキョロしたが何処にも見当たらなかった。少女は名前を探してるのかと思い、口を開いた。
???「…ああっ!うちの名前言い忘れっとったわ。うちの
名前はユリアや!よろしゅうな☆」
「…こちらこそ。」
「何、遠慮なんかしてんねん!もっと、気楽にしいや☆」
ユリアはメリィの肩を強くたたいた。
「…痛いよ。ユリア…。」
「ごめん。ごめん。…そういやさぁ、その恰好どないしたん?」
「…あ。」
水着の上に、コートを羽織ってるだけの格好だったことを
お喋りに夢中で気づかなかった。まさか、自分がこんな恰好だったなんて…
どうしよう…
「…うち来る?」
「…え?そんなの悪いよ。」
「かめへん。かめへん♪じゃ、決まりやな。うちすぐそこやし。」
「ええーーーー!ユリア待ってー。」
こうして、メリィは半ば強引にユリアの家に行くこととなった。